三越伊勢丹ホールディングスは7月10日、4度目となる緊急事態宣言を受けて、東京都内の旗艦店においてレストラン各店舗での酒類の提供を控えると発表した。7月12日から当面の期間で、対象店舗は伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店の4店舗。また、各店舗の営業時間は、伊勢丹新宿本店と三越銀座店は午前10時から午後8時まで、伊勢丹立川店は午前10時から午後7時30分、日本橋三越本店は午前10時から午後7時まで。三越伊勢丹オンラインストアをはじめ、化粧品の通販サイト「ミーコ(meeco)」やギフトやプレゼントの通販サイト「ムードマーク(MOO:D MARK)」といったオンラインストアは通常通り営業する。

昨年4月に発令された1度目の緊急事態宣言時には4月8日から5月29日までの52日間、首都圏6店舗を休業していた。約1カ月半にわたり営業ができなかったことの影響は大きく、同社の2021年3月期決算(4-9月)の売上高は3357億100万円(前年同期比41.8%)、最終損益は367億8700万円の赤字に陥った。新型コロナウイルスに対する政府の対応を巡っては、西村康稔経済再生担当相が酒類の提供中止に応じない飲食店に対し、取引先の金融機関から順守するよう働き掛けてもらう方針を示し、「悪手だ」と批判を受け、発言を撤回。6月25日には河野太郎行政改革相が「ここまで申請があるとは思わなかった」として、ワクチンの職域接種の申請受付を中止するなど、政府の稚拙な対応や見通しの甘さが露呈していた。

文・高村 学/提供元・SEVENTIE TWO

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