自動車保険の満期は、補償内容を見直す絶好の機会だ。しかし保険の内容を確認せず更新したり、多忙で更新を忘れてしまったりする人もいるだろう。うっかり満期日を過ぎてしまった後に自動車保険を契約してしまうと非常にもったいないことになるため注意したい。

自動車保険は1年ごとに満期日を迎えるのが一般的

保険契約が終了する日を満期日といい、多くの自動車保険は1年ごとに満期日を迎える。自動車保険の場合、満期日の23時59分まで補償が続くわけではなく、16時で切り替わる会社がほとんどだ。満期日までに更新手続きができていないと、無保険状態になる可能性もあるので注意が必要だ。

自動車保険を見直すベストタイミングは満期の約2ヵ月前

自動車保険は使用目的、運転範囲、年齢条件など複数の事柄を組み合わせて保険料を算出している。保険料算出に用いる条件が変わると保険料に差が出てくる。

例えば車通勤が電車通勤になったら、使用目的を「日常・レジャー」にすると保険料を抑えられる。年齢条件が上がったり、運転範囲が狭くなったりすると保険料が安くなる可能性がある。

多くの損害保険会社は、満期の約2ヵ月前に「継続のご案内」などの案内書類を送付している。現在の補償内容や継続した際の保険料などが記載されているので、条件が今の自分に合っているかを確認することをおすすめする。

自動車保険の乗り換えを満期日まで待つメリットとデメリット

近年、様々な自動車保険のCMが放送されていることもあり、「次は保険が安いところに乗り換えよう」と考える人もいるだろう。満期日まで待つか中途で乗り換えるかは人それぞれだが、それぞれメリットやデメリットがある。

自動車保険の乗り換えを満期日まで待つメリット……無事故の場合、乗り換えと同時に等級が上がる

無事故の場合、1年で1等級ずつ自動車保険の等級が上がる。等級が上がるにつれて保険料も安くなる。例えば13等級で契約する場合、同じ損害保険会社で継続しても、満期と同時に他社に乗り換えても、次の契約は14等級になる。

自動車保険の乗り換えを満期日まで待つデメリット……満期まで今の補償内容が続く

自動車保険は乗り換えない限り、満期まで現在の補償が継続される。自動車保険の現在の内容に不満がある場合は、中途で乗り換えることも選択肢の一つといえるだろう。

自動車保険の満期を待たず中途で乗り換えるメリットとデメリット

他の補償内容やロードサービスに魅力を感じて自動車保険を乗り換える場合、乗り換えた時点から新しい補償やサービスの対象となる。メリットがデメリットを上回るなら、中途で乗り換えることも選択肢の一つだろう。

自動車保険を満期日の前に乗り換えるメリット……保険料が安くなる可能性がある

他社の見積もりを見て、同じような補償内容で保険料が大幅に安くなるなら検討の余地がある。ただし等級は今のままなので見積もり時に間違えないようにしたい。

自動車保険を満期日の前に乗り換えるデメリット1……事故がない場合でも等級が上がらない

自動車保険の等級が上がるタイミングは満期を迎えた場合のみで、中途で乗り換えると等級はそのままになる。自動車保険を乗り換えた後でも満期を迎えるまで等級は上がらないので注意が必要だ。

自動車保険を満期日の前に乗り換えるデメリット2……事故内容や事故件数に応じて乗り換え時に等級が下がる

3等級ダウンや1等級ダウンに該当している場合は、乗り換えた後の契約の等級が下がってしまう。本来であれば満期まで現在の等級が維持されるが、中途で乗り換えたタイミングで等級が下がってしまうというわけだ。該当する人は見積もり時に気をつけたい。

自動車保険を満期日の前に乗り換えるデメリット3……年払いの場合、解約金は払い込んだ保険料より少なくなる

現在の自動車保険の契約を解約した場合、損害保険会社から解約金が支払われる。一般的に、解約金は残月数の保険料より少なくなるため、自動車保険を乗り換えた後の保険料が安くてもトータルで考えると損をする可能性がある。

自動車保険の満期を過ぎた場合の注意点

うっかり自動車保険の更新手続きを忘れても、手続きをすればそのまま継続できると考えている方が多いのではないだろうか。日数により不利になることもあるので注意が必要だ。

自動車保険の満期から7日以内は補償内容に制限があることも

自動車保険の更新手続きを忘れても、満期から7日以内であれば継続できるケースが多い。損害保険会社によっては、契約を引き継ぐこともできる。ただし満期を過ぎていることで選べるプランや利用できる割引に制限が出ることも少なくない。

例えば満期日以降は電話のみの扱いになり、インターネット割引が使えなくなったり基本的な補償内容になったりすることもある。

自動車保険の満期から8日以降は新規の契約が適用される

満期から8日以上が経過してしまった場合、契約している損害保険会社が何日まで対応しているのか猶予期間を確認しよう。ほとんどが他社への乗り換えはできないはずだ。同じ会社であっても契約を継続できないこともある。

8日以上が経過して現在の契約を継続できなければ、新規の契約になり6等級からのスタートになってしまう。今までの等級が無駄になってしまうので、満期から7日以内で手続きすることを強くおすすめする。

自動車保険の自動継続特約が付帯されているか確認する

保険証券に「自動継続特約(特則)」などの記載がある場合、手続きを忘れてしまっても契約を継続できる。ただし現在と同じ契約内容になるので、使用目的や運転範囲、年齢条件などを変更したいときは別途手続きが必要だ。

自動車保険の満期以降、車に乗らない場合は中断の手続きが必要

自動車保険の満期以降、しばらく車に乗らない場合は、自動車保険を中断する手続きが必要である。

中断の手続きの際に発行されるのが「中断証明書」というもので、廃車・譲渡・返還と海外渡航の2種類に分かれる。中断理由によって再開時に必要な書類が異なるため、手続きの際に確認するとよいだろう。

中断は最大10年までできる会社が多く、妊娠を理由に中断できる損害保険会社もある。しばらく車に乗らない場合は、損害保険会社に手続きを確認しよう。

自動車保険の満期日はしっかり把握し乗り換えや更新の手続きを

現在の自動車保険の継続や乗り換えを検討しているのなら、いつ満期が来るかを把握しておくことは重要だ。継続でも現在の内容のままで問題ないかを確認する機会にするとよい。乗り換えたい場合はメリットとデメリットを踏まえたうえで、満期まで待つか中途で乗り換えるかを吟味することをおすすめする。

どれだけ忙しくても継続手続きを忘れて無保険になることや、新規の契約になることは避けてほしい。

文・MONEY TIMS編集部
 

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