タイは現在、新型コロナウイルス第3波の真っ只中で、毎日平均2,500名の感染者が出ている状態が数ヶ月間続いています。そんな中、バンコクを始めとした感染リスクの高い地域では、政府からの厳しい規制が実施されており、殆どの娯楽施設や教育機関は閉鎖。飲食店は店内飲食が一時禁止されたものの、経済面での考慮も考えて先月から25%のみ可能となりました。しかし、営業時間は21時までと短縮され、アルコールの提供も不可です。また、不要不急の外出は自粛が求められており、学校はオンライン授業に切り替えられ、勤務は在宅勤務が推奨されている状態なので、多くの人が毎日家で過ごす日々が続いています。

実はタイはコロナウイルスと関係なく、ありとあらゆるデリバリーが非常に充実しており、タイに住む人は日常的にデリバリーを利用しています。それは食べ物に限らず、生活用品のショッピングから、バイク便利用の個人同士のちょっとした届け物に至るまで、多くのデリバリーサービスを利用する事ができ、しかも利用する価格も手頃なのが魅力です。去年からのコロナ禍を機に、デリバリー産業はますます利用者が多くなり、サービスもさらに充実。今回はそんなタイ・バンコクでのデリバリーサービス事情を詳しくご紹介します。

目次

  1. 配車からフード宅配などさまざまなデリバリーに特化した携帯アプリ「グラブ(Grab)」
  2. 2020年から日本にも進出!タイ3大フードデリバリーのひとつ「フードパンダ(foodpanda)」
  3. 大手モバイルメッセンジャーアプリが手がけるデリバリーサービス「ラインマン(LINEMAN)」
  4. 一食あたり500円以下が当たり前!バンコク日本食レストランのデリバリー激戦区をどう生き残るか?
  5. まとめ

配車からフード宅配などさまざまなデリバリーに特化した携帯アプリ「グラブ(Grab)」

タイ住民の強い味方!コロナ禍におけるバンコク・デリバリーサービス事情を徹底分析
(画像=『たびこふれ』より 引用)

日本人に限らずタイ在住すべての外国人にとって強い味方が携帯アプリ「グラブ(Grab)」。「グラブ(Grab)」といえば配車サービスが一番有名で、タイ語ができない人でも、行き先を直接入力することで、ドライバーと一言も喋らずに目的地まで行けるのが最大の魅力。支払い方法もキャッシュやクレジットカードに加え、最近ではドライバー個人の銀行口座に直接振り込めるバーコードシステムも多く導入されているので、ほぼキャッシュレスで利用できます。

この「グラブ(Grab)」は配車サービスのほかにもさまざまなサービスを行なっています。

  • 配車サービス
  • フード宅配
  • バイク便
  • 買い物代行
  • ドライブ代行
  • その他

これらすべて同じアプリ内で対応できるのがとても便利。私自身も配車サービスは日常的に利用しますし、個人間のバイク便もとても便利でよく利用します。友達にちょっとしたものをすぐに送りたいときに非常に便利です。しかもサービス料は距離にもよって異なりますが、近場であれば50バーツ程度(約176円)と格安なのが気軽に利用できる魅力のひとつです。

買い物代行は「グラブ(Grab)」独自のサービス内で、コンビニやスーパーなど好きな店舗から欲しい商品を買って届けてくれます。お年寄りなどなかなか出歩くことが出来ない人には特に便利なサービスです。フード宅配は加盟店舗数は他社アプリに比べて少ないものの、他社に加盟していない店などが充実。コロナ禍の外出自粛中には「グラブ(Grab)」アプリひとつでほとんど全ての用事が済ませることができます。

それではここで「グラブ(Grab)」でのフード宅配の方法を簡単にご紹介。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

携帯にアプリをダウンロードした後、電話番号などで登録。その後「Food」を選ぶと色々なジャンルの店舗が出てくるので、好きな場所をクリック。店舗名や食べ物の名前などでも検索も出来ます。

タイ住民の強い味方!コロナ禍におけるバンコク・デリバリーサービス事情を徹底分析
(画像=『たびこふれ』より 引用)

店舗を選び、頼みたい料理や飲み物などをクリックすると、カートにどんどん追加され、会計時の画面でまとめてチェックできます。

タイ住民の強い味方!コロナ禍におけるバンコク・デリバリーサービス事情を徹底分析
(画像=『たびこふれ』より 引用)

宅配して欲しい住所と会計方法(キャッシュかクレジットカード)を選択してオーダー完了。

タイ住民の強い味方!コロナ禍におけるバンコク・デリバリーサービス事情を徹底分析
(画像=『たびこふれ』より 引用)
タイ住民の強い味方!コロナ禍におけるバンコク・デリバリーサービス事情を徹底分析
(画像=THA2106-07.jpg、『たびこふれ』より 引用)
タイ住民の強い味方!コロナ禍におけるバンコク・デリバリーサービス事情を徹底分析
(画像=『たびこふれ』より 引用)
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(画像=『たびこふれ』より 引用)

すると、注文〜配達までの状況をその都度イラストで表示してくれるので、わかりやすく安心です。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

また、到着予定時刻も表示され、配達中はドライバーを地図で追跡できるので、玄関先で待つ必要もありません。

タイ住民の強い味方!コロナ禍におけるバンコク・デリバリーサービス事情を徹底分析
(画像=『たびこふれ』より 引用)

無事到着しました。オーダーしてから届くまでの所要時間は約20分。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

ロゴの入った保冷袋に入れてくれるので、崩れることなく暖かい状態で届きます。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

支払いをクレジットカードで済ませていたので、ドライバーさんと会話することなくすぐに受け取り完了。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

お店によってさまざまですが、こうやってお店のロゴの入った袋に入れてくれます。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

中身を見ると、きちんと並べられていて、崩れていません。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

まだ温かい状態で美味しいランチをいただくことができました。

このオーダー方法は「グラブフード(Grab Food)」に限らず、他社アプリもほぼ同じシステムを導入しているため、どのアプリを使ってもわかりやすく便利です。

タイ人のみならず、外国人も多く利用するアプリなので、システム言語は英語も対応。ただ、店によっては店名やメニューなどがタイ語のみのところもあるのが難点。でも大抵の場合は写真表示があるので、ほぼ問題なく注文できます。デリバリー範囲はさすが配車サービスがメインなだけあり、他社よりも広範囲を網羅している印象です。フード宅配が激戦区のバンコクですので、お得なプロモーションは常に行なっていますが、同じ店舗を他社と比べると、ベースの値段が若干高い印象です。

「グラブフード(Grab Food)」まとめ

良い点

  • デリバリー範囲が広範囲
  • 他社が扱ってない店舗に対応
  • アプリシステムが英語対応
  • 注文〜配達までを細かく表示

良くない点

  • アプリが多言語に対応していない
  • 他社と比べるとベースの値段が若干高い

2020年から日本にも進出!タイ3大フードデリバリーのひとつ「フードパンダ(foodpanda)」

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

「フードパンダ(foodpanda)」は、ドイツ・ベルリンに本社を置く、「デリバリーヒーロー(Delivery Hero)」傘下のブランドのひとつで、主にアジア太平洋地域12市場(シンガポール、香港、タイ、マレーシア、パキスタン、台湾、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、ラオス、カンボジア、日本)でデリバリーサービスを展開しています。2020年に日本でもサービスが開始されました。

鮮やかなピンクのパンダのロゴが特徴的で、フード宅配に特化した「フードパンダ(foodpanda)」は、ウェブサイトか携帯のアプリから利用可能です。他社アプリ同様、配達してくれる場所は自宅に限らずどこでも指定出来るので、とても便利。遠く離れた家族のためにデリバリーを手配することも可能です。加盟しているレストランは1,000店舗以上で業界最多、コーヒー1杯からタイ料理、スイーツなど、ありとあらゆる飲み物や料理を短時間で宅配可能。ジャンルが豊富なので、毎日頼んでも飽きることはありません。また、ウェブサイトでは旅行者にも嬉しい日本語対応なため、観光で疲れた時にホテルで食事を取りたい時などにとても重宝します。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

オーダーは簡単で、便利なのは携帯アプリ。まずは携帯にアプリをダウンロードした後に、アカウント登録を済ませたら、好きなレストランを選び、そこから頼みたい料理や飲み物などを選択。届けて欲しい場所を指定したらオーダー完了です。支払い方法も店に寄りますが、クレジットカードか現金を選べることが出来ます。オーダーが入ると画面上に現在の状況や配達予定時間が表示されるため、安心して配達を待つことが出来ます。これは上記の「グラブフード(Grab Food)」の方法とほぼ一緒です。

「フードパンダ(foodpanda)」はフード宅配のみのサービスです。

「フードパンダ(foodpanda)」まとめ

良い点

  • Webサイトが日本語対応
  • 加盟レストラン1000店舗以上で業界最多
  • プロモーションが充実している
  • 注文〜配達までを細かく表示

良くない点

  • 遅延や配達ミスがある時も
  • 注文後にfoodpanda側から一方的にキャンセルされてしまう場合がある

大手モバイルメッセンジャーアプリが手がけるデリバリーサービス「ラインマン(LINEMAN)」

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

日本でメジャーなモバイルメッセンジャーアプリと言えば「ライン(LINE)」ですが、その「ライン(LINE)」がタイ国内のみのデリバリーサービス「ラインマン(LINEMAN)」を開設。こちらは「グラブ(Grab)」と同じくフードデリバリー以外にも配車やバイク便、買い物代行などのサービスを行なっています。

タイ住民の強い味方!コロナ禍におけるバンコク・デリバリーサービス事情を徹底分析
(画像=『たびこふれ』より 引用)

「ラインマン(LINEMAN)」は「グラブフード(Grab Food)」のようにデリバリー可能な範囲が広く、また「フードパンダ(foodpanda)」のように加盟している店舗の数が多いので、両社の良い部分を兼ね備えていると言っても過言ではありません。価格帯も3社比べると一番安い価格を出していたり、お得なプロモーションを常に行なったりしています。「ラインマン(LINEMAN)」でしか扱っていない店舗も多く存在します。ただ、アプリは基本タイ語なので、システム言語が英語対応でありながらも、メニューなどはタイ語表示が多いのが難点です。

「ラインマン(LINEMAN)」のサービスは以下の通り。同じアプリ内で対応可能です。

  • タクシー配車サービス
  • フード宅配
  • バイク便
  • 買い物アプリ「ハッピーフレッシュ(Happy Fresh)」と連結
  • その他

「ラインマン(LINEMAN)」まとめ

良い点

  • 加盟店が多く他社で扱っていない個人店舗などにも対応
  • タイ料理に強く、人気の飲食店がラインナップされている
  • 各種プロモーションが充実
  • 注文〜配達までを細かく表示

良くない点

  • タイ国内のみのアプリなため、一部英語の記載があるものの、基本はタイ語
  • 注文後に店からキャンセルされることもしばしば

一食あたり500円以下が当たり前!バンコク日本食レストランのデリバリー激戦区をどう生き残るか?

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

バンコクは日本人が多く在住していることと、現在日本食ブームなために多くの日本食レストランが存在します。そのため日本食レストラン内でのデリバリーは激戦区で、ひとりでも多くのオーダーを勝ち取るために、日々お得なプロモーションを行なっています。

その中でも特に目立つのが価格での競り合い。一食分99バーツ(約350円)のお弁当が当たり前で、その激安のお弁当には味噌汁やサラダ、ドリンクやデザートなどのおまけついてくることもざらで、いかに他社との差別化を図れるかが鍵になっています。

これらのプロモーションは各店舗のオフィシャルLINEアカウントから情報を得ることができ、毎朝その日のプロモーションがメッセージで送られてきます。オーダー方法は直接LINEからか上記の宅配アプリから可能。LINEも場合は日本語でのオーダーが可能で、支払いも銀行振り込みかデリバリー時に直接キャッシュで支払うことが可能です。

まとめ

いかがでしたか?タイはデリバリー天国と言われていますが、コーヒー1杯から手ごろな値段で気軽に頼めることができ、この便利さを1回体験してしまうと、なかなか抜け出すことができません。

また、コロナ禍の外出自粛の間、お子さんはオンライン授業、お父さんは在宅勤務と家族全員が在宅で、主婦が毎日3食料理を作ることは容易なことではありません。また、独身者にとっても毎日一人分の食事を用意するのは面倒なため、お弁当1個から気軽に宅配を頼めることは多くの人の助けにもなっています。

その便利さから、タイ赴任を終え、日本に帰国した人たちがまず恋しいのが「タイのデリバリーの豊富さと便利さ」とも言われるほどです。

さて、タイの新型コロナウイルス第3波はしばらく続きそうです。そんなときは便利なデリバリーを駆使して、苦しい状況下でも楽して美味しいものを食べることがストレス発散にもつながることでしょう。

以上、タイ・バンコクのデリバリーサービス事情をお伝えしました。

文・写真・ゆかりん/提供元・たびこふれ

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