共働き世帯は年々増加しているが、貯金額はどれくらいが平均なのだろうか。収入は増えているのに「貯金ができない……」という世帯もあるだろう。今回は共働き世帯の貯金の平均額と夫婦で貯金ができない理由を紹介。効率的に貯金を増やすために必要なポイントも紹介していこう。

共働き世帯の平均貯金額は平均1,219万円 共働き世代は増加中!

1997年以降、「共働き世帯」が「働く男性と専業主婦からなる世帯」を逆転し、増加を続けている。共働き世帯は専業主婦(主夫)世帯よりも収入が多いことが想定される分、貯金も倍になりそうなものであるが、実際はどうだろうか。

総務省の調査によれば、共働き世帯の平均貯金額は1,219万円となっている。貯金額は共働き世帯の中でも「夫婦のみ」の世帯が最も貯蓄額が多く1,510万円、子供が多い世帯ほど貯蓄は少なくなっていることがわかる。意外なことに夫のみ有業の世帯の貯蓄は平均1,439万円と、共働き世帯の貯蓄より多い。

【妻の就業状態別の平均貯蓄額】

共働き世帯 平均 1,219万円
夫婦のみ世帯 1,510万円
子供1人世帯 1,100万円
子供2人世帯 1,033万円
夫のみ有業の世帯 1,439万円

※総務省統計局「家計調査年報(貯蓄・負債編)」2018年、貯蓄・負債の概要より筆者作成

総務省の調査をみてみると40代の勤労者世帯の平均貯蓄額は983万円。

【2人以上の勤労者世帯の年代別貯蓄額】

平均 1,320万円
40 ~ 49歳 983万円
50 ~ 59歳 1,676万円
60 ~ 69歳 2,074万円
70歳 ~ 1,839万円

※総務省統計局「家計調査年報(貯蓄・負債編)」2018年、貯蓄・負債の概要より筆者作成

40代と他の年代では何が貯蓄額の差をもたらしているものは何か?以下の年代別の月間の世帯収入と教育費を表を見ると原因が浮かび上がってくる。

【2人以上の勤労者世帯の年代別月収入と月間教育費】

実収入 世帯主収入 世帯主の
配偶者の収入
教育費 貯蓄額
35 ~ 39歳 55万7,425円 43万8,922円 8万42円 1万5,380円 14万8,073円
40 ~ 44歳 57万6,919円 46万5,896円 7万9,651円 2万4,058円 13万4,028円
45 ~ 49歳 62万5,361円 49万9,624円 8万9,366円 3万4,542円 13万3,588円
50 ~ 54歳 65万1,265円 52万3,351円 8万6,643円 3万3,579円 13万6,538円
55 ~ 59歳 63万4,748円 50万8,279円 8万287円 1万7,434円 13万9,375円

※総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)」2018年より筆者作成

40代の夫婦世帯では他の世代よりも配偶者の収入がやや低い。出産・育児など、大きな出費を伴うライフイベントが多い40代では、共働きであっても育児休業や時間短縮勤務などで、収入が一時的に減少することもあると考えられる。

また50代に比べ40代は収入が少ないにもかかわらず、教育費は40代のほうが多くかかっている。そのため実質的に貯蓄に回せる額は少なくなってしまっているのだろう。

共働きで貯金ができない3つの理由 収支状況、目標貯金額が把握できていないなど

お金が貯まりづらい世代ということもあるが、それでも平均貯金額は約1,000万円。「我家はそんなに貯金がない……」という人もいるだろう。その原因は収入が足りないことよりも、お金のモニタリングができていないことにあるかもしれない。「モニタリング」という観点から、貯金ができない理由を探ってみよう。

理由1,お互いの収入・支出額を知らない

一般的にお互いの給与は本人名義の口座に入金される。当然、お互いの給与明細や通帳を見せ合わない限り、相手の収入はわからないだろう。

さらにお互いが自分の収入を自由に使っていたとしたら、何にいくら使っているのか支出も把握できない。いざというときには共働きであるし何とかなる、という思いも手伝ってそれぞれの出費が増えている可能性もある。

夫婦共働き世帯が確実に貯金したいならば定期的にお互いの収入を把握する機会を設けたほうが良い。例えば「Zaim」や「マネーフォワード ME」などの家計簿アプリでは、アカウントを共有することで夫婦間で家計簿を共有することができる。お互いがきちんと入力すれば、互いの収入・支出がもれなく把握できるはずだ。

理由2,家計の支出を把握できていない

家計全体の支出がいくらなのか把握できていないことも貯金ができない原因になる。水道光熱費、通信費、食費などは気づかないうちに自分が思っていたより大きな出費になっていることもある。

また夫婦の片方がそれらの代金を払っている場合はなおさら支出を把握するのが難しい。相手が毎月何にどのくらい支出しているのか把握するためにも、夫婦で支出がいくらかを共有できる仕組みが必要だ。

特に家計に大きな影響を与える固定費の支出は把握したい場合は払う手段を一本化するのがよい。クレジットカードやモバイル決済で支払うようにすれば、利用明細や使用履歴で何にいくら使ったが一目瞭然だ。また前述の家計簿アプリと連動することができるカードやモバイル決済もあるため、組み合わせて使うとより効果的。

理由3,貯金額の目標を定めていない

漠然と今年は貯金しようなどと思っても長続きしない。今月は出費がかさんだからと、貯金額を減らしたりすると、いつの間にかほとんど貯金できずに1年が過ぎてしまう場合もある。確実に貯金するためには夫婦で話し合って明確な貯金額の目標を立てることが大切だ。

総務省の調査によれば40代の勤労世帯の平均貯蓄率は28.6%。世帯年収が1,000万円なら年間286万円の貯金をしていることになる。これは毎月23万円を貯蓄に回しているという計算だ。(※総務省統計局「家計調査年報(家計調査編)」2018年より)

もちろん家計の収支状況は人それぞれだが、40代の平均貯蓄率を1つの目安として貯金額の目標にするものよいだろう。

共働き夫婦の賢い貯金方法4選 共同口座、一括管理、役割分担など

では、共働きでもうまく貯金をするためには、具体的にどのような方法をとるべきだろうか。4つの方法を紹介しよう。

方法1,共同口座に貯金する

1つ目の方法は夫婦で生活費用の共同口座を開設して貯金する方法だ。毎月の給与がそれぞれの口座に振り込まれたら、お互いの収入に応じてあらかじめ決めた金額を共同口座に振り込むように設定する。共同口座への振り込みは一部の銀行では自動でできるようになっているため、毎月の振り込み作業が負担になるという人は利用を検討してもよいだろう。

共同口座を使用するときのポイントは必要最低限の額を入れておくことだ。多めに口座に入れてしまうと余った分を他のものへの消費につかってしまう恐れもある。

共同口座を作るのに向いているのは、収入も就業時間も同じくらいで面倒な手間をかけたくない夫婦だろう。共同口座はお互いが振り込む金額が大きく違うと、争いの種になりかねない。夫婦ともにフルタイムで労働しており細かな費用の分担などができない場合に向いている。

方法2,どちらかが一括管理する

2つ目は一括管理する方法だ。お互いの給与が振り込まれたら、全額を1つにまとめてどちらかが管理する。家計管理が得意な方が収入や支出の管理ができるため、使いすぎを防げる可能性もある。

ポイントは管理を相手に任せきりにしないこと。管理を任されている方は自由に貯金を使える一方で、家計管理を任せている方は収入や支出がどのくらいなのかを把握しづらい。お互いに不信感を抱いてしまう場合もあるので、ときには交代制にするなどの工夫も必要だ。

どちらかが一括管理する方法は、就業時間に差がある夫婦に向いている。一括管理する方法は夫婦の一方にかなり負担がかかるからだ。管理が上手で時間の余裕もある方が管理を引き受けるのがよいだろう。

方法3,費目別に役割分担する

3つ目の方法は夫婦でそれぞれの費目別に分担する方法だ。例えば給与の多いほうが、家賃、水道光熱費、携帯電話代など、口座引き落としされるものを支払い、給与の少ないほうが日々の生活に必要な食費や日用雑貨を支払う。

ポイントは残った収入の管理を方法決めておくこと。残った全額は全て貯金用の口座に入れるなど、管理方法を決めておかないと使いすぎの原因になる。

この方法は就業時間に差はないが収入に差がある夫婦の場合に向いている。家賃など大きな支払いについては収入の多いほうが受け持つことができるからだ。共同口座の開設などが面倒という場合はこの分け方が効率的だろう。

方法4,片方の収入だけで生活し残りを貯金に回す

4つ目の方法は夫婦片方の収入だけで生活し、もう一方の収入は全額貯金する方法だ。1人の収入だけで生活することができると、仮にどちらかが仕事を辞めても生活できる安心感にもつながる。

お互いの収入を把握していれば、毎月いくら使えて、いくら貯金できているかも一目瞭然のためわかりやすい貯金方法といえるだろう。

この貯金方法はどちらかの給与だけで生活できる程度の収入がある夫婦でないと実現は難しいだろう。そのため夫婦の一方がある程度収入がある夫婦に向いているといえる。生活費として使っていない方の給与が貯まっていくが、それで十分かどうかは始める前に確認しておきたい。

以上のように、4つの方法があるのでそれぞれの世帯の状況に合わせて管理方法を選択しよう。

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共働き夫婦が貯金を始める3ステップ 家計簿をつける、目標を立てる、自動で積立

貯金ができない原因や貯金をする方法などを紹介してきた。これらを踏まえて、「これから貯金を始めよう」と考える人が具体的に実行すべき3ステップを解説していこう。

STEP1……夫婦でライフプランを考え目標貯金額を設定する

ステップ1は夫婦で目標貯金額の認識をしっかり共有することだ。

まずはお互いの収入状況を把握していても、貯金額についてお互いの認識が共有できていない場合、いつまで経っても貯金はできないだろう。目標の貯金額を考える際にも、いくつかの項目に分けて考えることを勧めたい。

まずは夫婦で話し合ってライフプランを考えながら目標金額を設定しよう。例えば、「3年後までにマイカーを購入するために300万円貯金する」「老後資金として60歳までに1,000万円貯める」など具体的な目標を決め、さらに毎月の目標貯金額へと落とし込んでいこう。毎月の目標貯金額が決まれば、あとは夫婦で確実に目標が達成できるよう仕組みを考えるだけだ。

SETP2……家計簿を利用して削れる固定費などの見直し

ステップ2は家計簿を利用して生活費の見直しを図ることだ。

実はマネーフォワードの調査によれば、男性の約過半数が家計簿に挫折したことがあると回答している。しかし、家計簿は家計の状況を把握するうえでは有効な手段である。前述のように、現在はスマートフォンで手軽に家計簿をつけられるアプリも出ているので、忙しい共働き夫婦は活用してみるのもよいだろう。

家計簿をつけて現状把握をすることで、意外とかさむ固定費や交通費、交際費などの支出の見直しができる。毎月貯金額を捻出できないという人は家計簿をつけることで支出を抑えることにつながり、貯金額が増やすことができるかもしれない。

STEP3……給料振り込み口座から自動で積立する仕組みを作る

ステップ3は銀行の自動積立を使用することだ。毎月の目標貯金額を決めたら、その金額が自動的に貯金用口座に積立てられるようにしよう。

給与の振り込み口座と貯金用の口座が一緒になっていると、つい貯金を取り崩してしまうことがあるが、自動積立定期預金を利用すれば、自動的に貯金したい額が給与口座から引かれて貯金される。

そのほかにも給与天引きの貯蓄制度が会社にある場合には、利用するのもよいだろう。自分で給与を使ってしまう前に貯金されているので、確実に一定額を貯金することができる。
 

共働き世帯は仕組みを使って賢く貯金しよう

共働き世帯の平均貯金額は約1,200万円だったが、まだまだ貯金ができていないという人も多いだろう。40代の共働き世帯は育児や教育などへの出費が多くなるため、必然的に貯金が難しくなる。貯金は自分だけで行おうと思ってもなかなか続かないため、夫婦で話し合い、貯金ができる仕組みづくりから始めていくのがよいだろう。

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  文・MONEY TIMES編集部
 

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