こんにちは!たびこふれライターの中尾です。

深田久弥氏が選出した「日本百名山」といえば本格的な登山装備が必要な山と思われがちですが、誰でも簡単に頂上まで登れる山があります。それは岐阜県と滋賀県にまたがる伊吹山(いぶきやま)です。標高は1,377mながら高山植物が咲く素敵な山。簡単に登れる理由は...。伊吹山ドライブウェイを利用すれば車で9合目の1,260mまで登ることができ、こから最短ルートを利用すれば約20分で頂上まで登ることができるのです。

僕が登ったのは5月下旬の週末。伊吹山ドライブウェイを利用して車で登りました。視界が開けた道なので爽快感がハンパない!頂上は少し肌寒かったですが、登山道に咲き誇る高山植物に癒されました。何よりも日本百名山に簡単に登れたのは何だか得した気分でした(笑)。

それでは伊吹山を紹介しましょう!

目次

  1. 伊吹山の基本情報
  2. 伊吹山ドライブウェイ
  3. スカイテラス駐車場
  4. 山頂登山道
  5. 伊吹山山頂
  6. 伊吹山で見ることができる高山植物
  7. 伊吹山ドライブウェイ提供:伊吹山フォトコレクション
  8. 伊吹山インフォメーション
  9. 伊吹山での注意事項

伊吹山の基本情報

滋賀県と岐阜県の県境に位置する標高1,377m(滋賀県では最高峰)の自然豊かな山です。日本百名山の一つでもあり、高山植物には「伊吹山固有種」も多く、貴重な自然の宝庫です。歴史的にも、古くは古事記や日本書紀に登場したり、日本武尊や松尾芭蕉のゆかりのある山でもあります。昭和2年2月14日に観測された、11.82mの積雪量は世界記録でもあります。伊吹山ドライブウェイ終点のスカイテラス駐車場(1,260m)から山頂(1,377m)まではウォーキングや軽い登山、3本の登山道を利用しての自然観察などが気軽に楽しめます。そのほか、伊吹山のふもとにある泉神社では日本百名水の「伊吹の名水」が湧出しています。伊吹山は「日本そばの発祥の地」といわれていて、「よもぎ」や「薬草」などと共に名物のひとつです。【パンフレットより引用】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

伊吹山ドライブウェイ

名神高速道路の関ヶ原インターから麓の料金所まで約2km、車で約10分。全長約17kmの絶景ドライブの始まりです!

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

料金所からは整備された山岳道路となり、伊吹山の南側から東側の山肌を進みます。道路は全区間2車線で危険な個所はありません。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

S字状カーブやヘアピンカーブもあるワイルドな道路ですが、大型バスも走行できる快適な道路ですので「走る」ことが好きな方にはたまらない道路でもあります。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

スカイテラス駐車場

全長約17kmの絶景ドライブの終点はスカイテラス駐車場です。ここは標高1,260m。雲が近い!(写ってませんが...)

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

スカイテラス駐車場は伊吹山山頂の北側に位置しています。滋賀県長浜市、そして琵琶湖(湖上は竹生島)を眺望することができます。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

腹が減っては...ということで、スカイテラス駐車場西側にあるスカイテラス伊吹山にて昼食をいただきました。飛騨牛コロッケカレーは具だくさんの濃厚ルーにボリューム感ある飛騨牛コロッケがトッピングされています。山のレストハウスは高くてあまり美味しいものがないと思われがちですが、このカレーはとても美味しかったです。定番のうどんやそば、そしてデザートまで揃っていますのでぜひ利用してみてくださいね。もちろん土産物も併設されていますよ。

スカイテラス伊吹山

営業時間:10時~16時まで(夏季は9時から18時まで)※営業時間は季節および気象条件により変わることがあります。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<飛騨牛コロッケカレー>、『たびこふれ』より 引用)

◎スカイテラス駐車場から天気が良くて空気が澄んでいれば北アルプスまで見えるのです!

各所に見ることができる山の名前が掲示されているのですが...なんと北アルプスまで見えるそうです。(この日は残念ながら見えませんでした。)

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

晴れていればこのような山並みが広がります。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

北側をアップにすると白山(2,702m)が見えます。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

北側をアップにすると御岳山(3,067m)が見えます。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

山頂登山道

伊吹山の登山道は3つのコース(1つは下り専用)があります。

西登山道コース:山頂まで約40分・長さ約1km

道幅が広く、傾斜の緩やかな北西斜面に面した歩きやすい登山道です。

中央登山道コース:山頂まで約20分・長さ約500m

急斜面ですが、階段が整備されている最短の登山道です。

東登山道コース・下り専用:山頂から約1時間・長さ約1.5km

一番距離が長く、雨が降ると一部ぬかるみができ滑りやすくなります。道幅も狭いので注意が必要な登山道です。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<伊吹山のお花畑案内図>、『たびこふれ』より 引用)

それでは山頂を目指しましょう!

スカイテラス伊吹山の横には芭蕉の句碑、恋慕観音像が立っていらっしゃいます。奥に見えるのが西登山道コースです。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

僕は西登山道コースを利用して頂上を目指しました。道は整備されていますが、石や岩が露出しているところもありますので、注意が必要です。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

途中の展望台から琵琶湖を眺めることができます。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

所要時間は40分となっていますが、写真を撮りながらゆっくり登って40分でした。早い人なら30分弱で登れると思います。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

こちらは下りです。

下りは中央登山道コースを利用しました。急勾配とありますが、階段が整備されていますので何の苦にもなりません。下に見えているのがスカイテラス駐車場です。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

途中に番号が記載された看板が登山道のいたるところにあります。これは緊急時に自分の位置を知らせるための位置番号です。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

伊吹山山頂

標高1,377mの伊吹山山頂に到着です。

伊吹山山頂には伊吹山寺(いぶきさんじ)が鎮座されています。まずはお参りしましょう!

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

御住職さまがいらっしゃれば直書きの御朱印をいただけます。こちらは通常の御朱印です。なお、御住職さまが不在の時は賽銭箱の隣に書き置きの御朱印が置かれています。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

僕は『役行者霊蹟札所』も巡礼していますので専用の御朱印もいただきました。こちらは書き置きとなります。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

そして日本武尊(やまとたける)像が登山者を温かく迎えてくれます。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

頂上には山小屋が数軒ありますので、飲食の心配はありません。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

山頂付近はこのように台地のような空間が広がっています。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

伊吹山で見ることができる高山植物

伊吹山の位置は日本のほぼ中央部にあたり、北方系植物が南下してきたり、日本海側分布の植物も生息しています。さらに典型的な石灰岩地帯ということや冬期寒冷な季節風の影響を受けて、好石灰植物や美しいお花畑がみられたり、古い山なので独自に進化した固有種が存在しています。昔から草本植物や薬草の宝庫として広く知られています。【パンフレットより引用】

▼ニリンソウ(例年4月上旬から5月中旬が見頃)

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

今回、登山道に咲いていた高山植物(名前が分からなくてごめんなさい)。

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)
高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)
高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

▼シモツケソウ(例年7月中旬から8月中旬が見頃)

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

▼サラシナショウマ(例年8月中旬から9月上旬が見頃)

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

伊吹山ドライブウェイ提供:伊吹山フォトコレクション

伊吹山は春夏秋、そして時間帯によってそれぞれ違う表情を見せてくれます。伊吹山ドライブウェイより提供していただいた写真をご紹介します。

▼スカイテラス駐車場(1,260m)からのご来光【7月下旬撮影】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

▼西登山道から琵琶湖のかなたに沈む夕日【8月下旬撮影】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

▼スカイテラス駐車場(1,260m)からの雲海【7月中旬撮影】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

▼標高900mの上平寺越駐車場から見た紅葉の伊吹山【11月上旬撮影】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

▼伊吹山ドライブウェイ待避所36番(標高1,086m)から濃尾平野の夜景【9月下旬撮影】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

▼スカイテラス駐車場(1,260m)から琵琶湖周辺の夜景【9月下旬撮影】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

▼スカイテラス駐車場(1,260m)から夏の星空と天の川【8月上旬撮影】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

▼伊吹山山頂(1,377m)から見た月夜に浮かぶ琵琶湖の夜景【7月下旬撮影】

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

伊吹山インフォメーション

高山植物が咲く日本百名山・伊吹山へ楽して登山!
(画像=<写真提供:伊吹山ドライブウェイ>、『たびこふれ』より 引用)

伊吹山ドライブウェイ

  • アクセス:
    車利用の場合:名神高速道路・関ヶ原インターより入口料金所まで約2km、車で約10分
    電車+路線バス利用の場合:JR東海道本線の大垣駅または関ヶ原駅から路線バスあり
  • 営業時間:
    春季:4月第3土曜日から7月第3土曜日の前日までは8時~20時
    夏季:7月第3土曜日から8月は3時~21時 ※夏季は特別営業もあり。詳細は公式HPにて
    秋季:9月は8時~20時、10月から11月は8時~19時
    ※最終入場時間は終業時間の2時間前。
    ※11月下旬より4月第3土曜日の前日までは冬季休業となります。
  • 利用料金:自動二輪車(125cc以下は不可)2,200円、軽乗用車3,140円、普通車3,140円、大型車は公式HPにて

※ETC、クレジットカードなどは使用できません。

伊吹山での注意事項

  • スカイテラス駐車場および伊吹山山頂にはトイレがありますが、紙は設置されていませんのでご注意ください
  • 伊吹山ドライブウェイでは天候により通行規制や通行止めになることがあります
  • 霧も出やすい山なので前後の車間距離に注意して、ライトも点灯しましょう
  • 落石や野生動物の飛び出しに注意してください
  • 駐車場以外での車の駐車はできません
  • スカイテラス駐車場から伊吹山山頂まで登れらる場合は運動靴を用意しましょう
  • ふもとと山頂の標高差は約1,000mあり、気温差も約8℃から約10℃あります。服装に気をつけてください
  • 春、秋、夜間は寒さ対策をお忘れなく
  • 天候の変化に気をつけてください
  • 動植物や昆虫の採取は禁止されています
  • 伊吹山山頂にはゴミ箱がありません。ゴミは各自で持ち帰りましょう
  • 駐車場ではアイドリングストップに協力しましょう

※当記事は2021年5月に訪問した時のものです。

文・写真 中尾勝/提供元・たびこふれ

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