目次

  1. ワインの種類
    1. スティルワイン
    2. スパークリングワイン
    3. フォティファインドワイン
    4. フレーヴァードワイン
  2. 自家製ワインを作るための材料
    1. 欠かせない5つの材料
    2. ブドウの選び方
  3. 自家製ワインの作り方
    1. 工程
    2. ブドウを洗いすぎてはいけない
    3. キャップを緩めておく
    4. 酒税法の遵守
  4. さまざまな種類のワインの作業工程
    1. 白ワインの作り方
    2. ロゼワインの作り方
    3. スパークリングワインの作り方
  5. まとめ

ビール、焼酎、日本酒、ブランデー、ウイスキー…お酒の種類は数あれど、ワインほど単純な工程で作られているお酒はそうはない。

極めて歴史が古く世界各地で愛されているワインだが、実は自宅で誰でも簡単に作れるお酒だということを知っていただろうか。その理由は、ブドウを発酵させるだけという極めてシンプルな作業工程にある。

本記事では、ワインの作り方、作業工程、材料を誰でも分かるように簡単に説明していく。自家製オリジナルワイン作りに挑戦したい方は、ぜひ参考にしてもらいたい。

ワインの種類

【実は簡単!】自家製ワインの作り方・工程・材料をまとめて紹介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

自家製ワインの作り方を説明する前に、まずはワインの種類について紹介していこう。ワインは製法によって、大きく以下の4つに分類される。

  • スティルワイン
  • スパークリングワイン
  • フォティファインドワイン
  • フレーヴァードワイン

それぞれの違いや特徴を、以下のひとつずつ詳しく説明していく。

スティルワイン

スティルワインは、非発泡性(泡立ちがない)ワインを指す。聞き馴染みがない言葉かと思うが、市場に最も出回っているのがこのスティルワインだ。

  • 赤ワイン
  • 白ワイン
  • ロゼワイン

赤、白、ロゼという最も多くの方が嗜んでいるワインがここに含まれる。

赤と白は言うまでもないが、ロゼはピンク色のワインのことだ。色でいうと赤と白の中間のような色で、赤ワイン同様に黒ブドウの果汁を使用するものの、発酵途中で皮を取り出すため中間色のワインが仕上がるというわけだ。

アルコール度数は9~14度あたりのものが多く、甘口から辛口まで幅広い味わいを楽しめるのがスティルワインの特徴だ。

スパークリングワイン

前述したスティルワインに炭酸ガスを加えて、発泡性(泡立ちがある)ワインにしたのがスパークリングワインだ。

  • シャンパン
  • クレマン
  • ゼクト
  • フランチャコルタ

製造シャンパーニュ地方、最低アルコール度数11.5%以上、法定熟成期間最低15ヶ月という厳しい基準を満たした発泡性ワインのみが、シャンパンと名乗ることができる。

『発泡性ワイン=シャンパン』と勘違いしている人が多くいるが、あくまでもシャンパンは発泡性ワインの一種であるということを覚えておこう。

フォティファインドワイン

保存性を高める目的で、スティルワインに度数の強いアルコールを添加して作ったワインをフォティファインドワインと言う。

  • シェリー
  • マルサラ
  • ポート
  • マデイラ

ブランデーなどのアルコール度数の高いお酒を、アルコール発酵中または発酵前のタイミングでワインに加えて作るため、アルコール度数は他のワインよりも高い15~22度が一般的だ。

目的は保存性を高めることと糖分を残すことで、これにより果汁本来の甘さが残るワインを作ることができる。

フレーヴァードワイン

フレーヴァードワインは、スティルワインに果汁、果実、薬草、甘味料、香草などを加えたものだ。

  • サングリア
  • レッチーナ
  • ヴェルモット

スティルワインに果汁や果実などの一手間を加えるだけで、個性的な香りと味わいを実現できる。

フレーヴァードワインの中でも特に有名なのが、ワインとフルーツで作る女性に人気のサングリアである。スペイン語の「Sangre(血)」がサンガリアの語源になっている通り、赤ワインをベースにするのが主流ではあるが、現在は白ワインで作るサングリアも登場している。

自家製ワインを作るための材料

【実は簡単!】自家製ワインの作り方・工程・材料をまとめて紹介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

おいしいワインを作るためには、醸造所や大きな機械が必要だと思っていないだろうか。いくら簡単に作れると言っても、ワインを作るためだけに使う特別な機械が必要だと思っている方も多いだろう。

自家製ワインを作るために、特別な機械や材料を用意する必要は全くない。家にあるものを使って誰でも簡単に作れるのが、シンプルな工程で作れるワインの素晴らしい点なのだ。

欠かせない5つの材料

自宅でワインを作るために、以下の材料を用意しておこう。

  • ブドウ
  • 砂糖
  • ボウル
  • ザル
  • ペットボトル

原料となるブドウ、アルコール度数を十分にするための砂糖、発酵と熟成のために必要なザル、ボウル、ペットボトル。上記で紹介したワインの種類によっては違う材料が必要になる場合もあるが、基本的にはこの5つの材料さえ用意しておけば、ワインは自宅で簡単に作ることができる。

ブドウ以外は、ほとんどの家庭ですでにあるものではないだろうか。ボウルやペットボトル、ザルに関しては発酵と熟成のためだけに使用するものなので、別のもので代用することも可能だ。

ブドウの選び方

上記で紹介した材料の中で最も大切なのは、原料であるブドウだ。

ワインの良し悪しは8割がブドウで決まると言われているほど、原料であるブドウが美味しければワインも美味しくなる。そのため、材料選びの中で最も慎重に行ってほしいのがブドウ選びなのだ。

そもそもスーパーなどで販売されているブドウは、生食用とワイン用に分かれていることを知っていただろうか。ワイン用のブドウも普通に食べることはできるが、生食用に比べて皮が厚くて食べにくいという特徴がある。

他にもワイン用と生食用のブドウには、以下のような特徴の違いがある。

  • ワイン用⇒タンニンが含まれている部分が多くて酸味が強い
  • 生食用⇒タンニンが含まれている部分が少なくて酸味が薄い

タンニンが含まれている部分とは、種と皮だ。つまりワイン用は種と皮が多く、生食用は種と皮が少ないという特徴がある。

世界的に作られている有名なワイン用のブドウ品種は黒ブドウと白ブドウで、それぞれ赤ワインと白ワインを作る時に利用される。対して生食用は、甲州種やマスカットベーリーA種が有名だ。

ここで注意してほしいのが、生食用のブドウを使っておいしいワインを作れないわけではないという点だ。

ワイン用のブドウはタンニン、酸味、糖分が多いためワイン作りに良い影響を与えることは確かだが、味の好みは人それぞれ。それぞれのブドウで自家製ワインを作ってみて、味の違いを楽しんでもらいたい。

自家製ワインの作り方

【実は簡単!】自家製ワインの作り方・工程・材料をまとめて紹介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

さて、最適なブドウを購入して材料を用意した後は、さっそく自宅でワインを作っていこう。ここからは、一般的な自家製ワインの作り方を紹介していく。

工程

ワインは、ブドウを発酵させるだけで作れる非常にシンプルなお酒だ。

これだけシンプルな工程で作れる理由は、ワインの原料であるブドウにアルコール発酵のもとになっているブドウ糖が多く含まれているからである。つまり、ほとんど手を加えなくても発酵させるだけで自然にブドウがお酒へと変化していくというわけだ。

まずは詳しい解説抜きで、ざっくりとした自家製ワインの工程を紹介していこう。

1. ブドウを軽く洗う
2. 手で潰す
3. ペットボトルに入れる
4. 一次発酵を待つ
5. ザルに入れて果実や果皮をプレス
6. 1ヶ月程保存して完成

特に注意しなければいけない工程を、以下の項目で解説していこう。

ブドウを洗いすぎてはいけない

自家製ワインを作るためのブドウは、洗いすぎてはいけない。

始めの工程で軽く洗うと書いているが、実際は洗わずに使うのが理想的だ。しかし、外で買ってから自宅に運ぶまでの間は外気に触れているので、軽く水で流すくらいであれば問題はない。

洗いすぎてはいけない理由は、ブドウの果皮に天然の酵母菌が付着しているからだ。

市販されているワインの多くは培養された酵母を投入しているが、自然発酵のみで作りたい場合は酵母菌を洗い流してはいけない。発酵を確実にしたい場合は、ブドウの量に対して10%程の砂糖を加えよう。

自然酵母だけではアルコール度数が十分ではない場合があるので、これは自分で作ってみて調整する必要がある。

初心者の場合は砂糖の量を間違えて酒税法(詳しくは後述)を超えるアルコール度数にしてしまう可能性があるため、最初は自然酵母で作ることを推奨する。

キャップを緩めておく

ブドウを軽く洗い、潰し、ペットボトルへ移したら一次発酵を待つ工程に入るが、この時にペットボトルのキャップを少し緩めておくことを忘れてはいけない。

発酵させるために必要な酸素を取り入れるという目的もあるが、他にもペットボトルのキャップを緩めずに発酵を進めてしまうとボトル内に二酸化炭素が充満して破裂してしまう可能性があるため、それを回避するという目的もある。

発酵により発生する二酸化炭素は、かなりの量だ。密閉していると破裂してとんでもない大惨事になってしまうため、必ずキャップを緩めて一次発酵を待とう。

一次発酵は直射日光の当たらない場所で静かに保管し、一日に数回はかき混ぜよう。目安は1~2週間ほどで、ブクブクとガスが発生していれば発酵がスタートしている証拠だ。

酒税法の遵守

自家製ワインを作る時は、酒税法を遵守しなければいけない。

日本は酒税法により、醸造許可を得ていない者による酒類の醸造が禁止されている。つまり、許可がなければ自家製で自分だけが飲む目的であっても、お酒を作ることができないのだ。

しかしワインを作ったら犯罪になってしまうのかというと、そうではない。酒税法に抵触するお酒はアルコール度数1%以上が対象になるので、1%未満のワインであれば作っても問題ない。

よって、ワインを作る時はすべての糖がアルコールに変わる前に発酵をストップしなければいけない。くれぐれも、アルコール度数1%以上のワインを作らないように注意しよう。

さまざまな種類のワインの作業工程

【実は簡単!】自家製ワインの作り方・工程・材料をまとめて紹介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

上記項目で紹介したブドウの果汁、果皮、種をすべて発酵させて完成するのが赤ワインだが、自家製で作れるワインの種類は赤ワインだけではない。

基本的に作業工程は上記で説明した通りだが、そこから少し工程を変更するだけで、赤ワイン以外の種類も自宅で作ることが可能だ。

白ワインの作り方

まずは、赤ワインと並ぶ代表的なワインである白ワインの作り方を解説していこう。白ワインを自家製する時に覚えておくべきポイントはひとつ。白ブドウを原料に、果汁のみを発酵させるという点だ。

赤ワインを作る時は黒ブドウ、白ワインを作る時は白ブドウを使い、ブドウを潰すまでは赤ワインを作る時と同様の工程で進むが、白ワインの場合ここから作業工程が異なる。

赤ワインは潰したブドウのすべて(果汁、果皮、種)をペットボトルへ移すが、白ワインは果汁のみを絞って移す。そのため、赤ワインとは異なり白ワインの場合は翌日から発酵が始まり、炭酸ジュースのような細かい泡がブクブクと出てくる。

特にかき混ぜる必要もないので放置しながら5日位経過したら味をチェックして、自分好みの味になったら完成だ。

ロゼワインの作り方

赤ワインの渋みと白ワインの爽快さを合わせたような味わいが人気のロゼワインも、自宅で作ることができる。

赤ワインと白ワインを混ぜ合わせてロゼを作ると思っている方も多いと思うが、これは間違いだ。赤と白をブレンドすることは原則的に禁止されているので、適切な作り方を覚えておこう。

ロゼワインは、以下の3つの工程で作ることができる。

  • セニエ法
  • 直接圧搾法
  • 混醸法

自宅で作る際に最もおすすめしたいのはセニエ法で、これは途中までは赤ワインを作る時と同様の工程で進めていき、一次発酵時にロゼ色がついてきたら果皮と種を取り除き、果汁のみで発酵を進めるというもの。

直接圧搾法は黒ブドウを潰して果汁のみで発酵を進める方法で、混醸法は発酵する前に黒ブドウと白ブドウを一定の割合で混ぜてから発酵を進めるという方法だ。

最も簡単で初心者に優しく、かつ爽やかな風味を味わえるのはセニエ法なので、慣れるまでは他の手法を使わずに行うことを推奨する。

スパークリングワインの作り方

赤、白、ロゼだけでなく、爽やかな炭酸が特徴のスパークリングワインも自宅で作ることができる。

国や地域によってさまざまな手法があるが、自宅で作る際のおすすめの工程は以下の2通りだ。

  • 瓶内に炭酸ガスを封じ込める
  • 炭酸ガスを直接吹き込む

おすすめは瓶内に炭酸ガスを封じ込める手法で、作っているワインの作業工程を変更することがないため、元になるワインの味と香りを変えることなくスパークリングワインを楽しめるという魅力が大きな特徴だ。

自家製ワイン作りを何度もしている方は、炭酸ガスを吹き込んで味変を楽しんでみるのも良いだろう。

まとめ

【実は簡単!】自家製ワインの作り方・工程・材料をまとめて紹介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

ワインの種類から始まり、自宅で簡単に作れる自家製ワインの材料や工程を紹介してきたが、参考になっただろうか?

一般に流通している他の多くのお酒とは異なり、ワインはブドウを発酵させるだけで作れるというシンプルな作業工程から、簡単に自分だけの自家製オリジナルワインが作れる。

赤ワインだけでなく白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインなど作れる種類も豊富で、ブドウの種類や発酵と熟成の時間を変えるだけで、さまざまな味の変化を楽しめるのも魅力だ。

ワインが好きで良く飲んでいる方はもちろん、自宅でお酒を作りたいという方は、まずは簡単に作れるワインがおすすめだ。

自分だけのオリジナルワインを作り、その風味と味に酔いしれよう。

提供元・男の隠れ家デジタル

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