「あたりめ」といえば、昔からあるおつまみの定番だ。家飲みが増えたこの時期、家に常備している人も多いだろう。大人のおつまみだけに限らず、子どものおやつやダイエット中の間食としても人気がある。気軽に手に入る大手コンビニ3社のオリジナル商品のあたりめを比較してみた。

あたりめと他のイカ製品の違い

 あたりめと聞くと、「乾燥したイカを細く切ったアレ」を想像するだろう。しかし、「するめ」や「さきいか」など似たような商品は多く、その違いは意外と知られていない。

 主な違いは以下の通りだ。
・あたりめ:内蔵を取ったイカを乾燥させたもの。するめの「する」は「お金をする(すり減らす・費やす)」に通じるため、縁起の良い「あたり」という言葉に置き換えたのが名前の由来だともされる。
・するめ:あたりめと同じもの。
・さきいか:炙り焼きにしたイカを裂いたもの。やわらかく仕立てたものもある。

 どちらのイカ製品も魅力的だが、素材そのものの味をより楽しめるのがあたりめだといえる。 シンプルだからこそ、マヨネーズ(特に七味マヨネーズは格別)との相性が抜群なのだろう。

あたりめは健康にもダイエットにも◎

 イカには多くの栄養が含まれる。中でも有名な健康成分は「DHA」や「タウリン」である。DHA(ドコサヘキサエン酸)が青魚に多いのはよく知られているが、実はイカにも多く含まれる。DHAは血液サラサラ成分としての効果のほか、アレルギー疾患の予防や脂肪燃焼などの効果も期待できる。

 タウリンは栄養ドリンクなどによく配合されている成分として、疲労回復のイメージがあるかもしれない。心臓や肝臓などに広く存在し、コレステロールの吸収を抑える働きなどを持つ物質ともいわれる。直接的な疲労回復効果はハッキリと証明されていないが、実際に疲れがマシになったと感じる人も多いのではないだろうか。
 イカはタンパク質も多く、筋肉をつくるのに役立つ。タンパク質は、ダイエット中に不足しがちな栄養素でもあるため、ダイエット中こそ意識してイカを食べたい。

 イカの刺身や煮物はしょっちゅう食べられなくても、あたりめであれば好きなときに楽しめる。また、基本的にあたりめはイカと食塩のみで加工されており、余計なものが含まれていない。添加物が気になる人にも良いだろう。

 大人だけではなく、子どものおやつとしても良い。固い物を食べ慣れていない子どもの、「噛むトレーニング」にもなる。

あたりめはどれも同じなのか

 おそらく、今まであたりめを食べた経験がない人の方が少数派だろう。それほどあたりめは、国民に慣れ親しんだおつまみとして浸透している。

 しかし、今まであたりめの違いに注目した経験はあまりないかもしれない。もしかしたら、「あたりめはどれも一緒」と思っているかもしれない。そこで、セブン‐イレブンとローソン、ファミリーマートのあたりめを食べ比べてみた。