ボルダリングを始めると、ジムだけでは満足できず、自宅でもトレーニングしたくなるでしょう。自宅にボルダリングウォールがあれば、子供と一緒にボルダリングを楽しみながら運動不足も解消!自宅にボルダリングウォールの作り方を紹介しますので、ぜひ挑戦してくみてださい。
自宅で子供と一緒にボルダリングを楽しもう
ボルダリングは、手足でにぎる、つかまる、ぶらさがる、ける、のぼるなど、全身の筋肉を使うスポーツで、大人から子供まで区別なく楽しめるのが魅力です。
事情によって自宅にこもりがちになると、運動不足になり大人も子供もストレスをため込んでしまいますが、自宅にボルダリングボードがあれば、時間を気にせずに全身を使った運動ができ、ストレス解消とともに親子のコミュニケーションもとることができます。
ぜひ自宅に素敵でかわいいボルダリングボードをつくって、家族みんなで楽しみましょう。
DIYでボルダリングウォール造りに挑戦
自宅にボルダリングウォールをつくるには、室内につくる場合と屋外につくるとき、一軒家か借家もしくは集合住宅かなどの条件によって、大きな制限がかかるという問題もあるため、考慮して設置しなくてはいけません。
自宅が持ち家ならば自由に設置できることも、借家やマンションなどの集合住宅であれば持ち主や管理者の許可を得ることが必要です。
DIYで持ち家の自宅屋内にボルダリングウォールをつくる方法と、自宅の部屋を傷つけない設置方法を解説します。
DIYで自宅室内につくるボルダリングウォール①持ち家の場合
自宅が持ち家であれば、室内に直接かべにネジや釘を打ち込んだり、壁を取り払うなど、ボルダリングウォールの製作と設置が自由にできるため、①では自宅の壁を使って垂木をはさみ、ボルダリングボードを固定する設置方法をご紹介します。
新築の場合には、新しい壁に穴をあけたり傷付けたりするのを嫌う方も多いでしょう。自宅に傷つけたくない方は、あとの②を参考にしてください。
ボルダリングウォールの固定場所を決める
自宅にボルダリングウォールをつくるには、綿密な設計をしてから作業に移る必要があります。何も考えずに作業に走っては、あとで全てをやり直すことにもなりかねません。
まず自宅のどの部分にどのくらいの大きさのボルダリングウォールをつくるかを決めましょう。ボードの大きさが決れば、おおよその予算と作業時間も決まります。自宅の吹き抜け部分を利用して高いボードをつくることも可能ですが、費用が増えて安全対策問題も解決する必要があるので注意しましょう。
部屋の壁に木材を打ち付けてボルダリングウォールの固定場所を垂木でつくる
自宅へのボルダリングウォール作成で最も重要な作業がボードの固定です。ボードの固定が弱ければ大怪我につながるため、安全を最優先にボードの固定はしっかりと確実におこなってください。
ボードを自宅の壁に直接ネジで固定する方法もありますが、壁とボードの間に垂木をはさんで固定する方法が一般的です。問題は垂木を打ち込む場所で、壁の裏に丈夫な柱がある場所に垂木を固定します。
壁裏に柱がある場所を探す
一般の住宅は木造建築で壁には455ミリ間隔で柱が立ててありますが、自宅壁の上からではどこに柱があるかわかりません。そこで壁の裏側に柱がある場所を教えてくれる「下地センサー(下地探知機とも)」という道具があります。自宅の壁に滑らせるだけで反応して柱の位置を教えるものと、針を打って探す2種類があり、価格は1000~2000円です。
職人は壁をたたいて音を聞き柱の位置を確認しますが、素人には難しく正確な位置がわからないので、道具を使い最良の場所を見つけましょう。
土台となる垂木を購入
垂木として使うのは「ツーバイフォー材」という38ミリ×89ミリの木材で、1本800円程度でホームセンターに売られており、希望の長さにカットするサービスもあります。455ミリの感覚で柱が入っていることと、自宅の壁の高さを基本に考えて、壁の高さよりも短い木材を必要な本数だけ買ってください。
壁全体を使わないのであれば必用な長さを計算して、丁度よい長さの垂木を必用な本数だけ購入しましょう。
管柱と間柱に垂木をボルトで固定する
壁の上からは見えませんが、一般的には柱と柱の間隔は455ミリで、100ミリ程度の太い「管柱」と、30ミリ程度の細い「間柱」があるので、狙ってネジを打つために道具で柱を探して自宅の壁に印をつけておきます。
垂木は柱と重なるように立ててボルトで固定しますが、ボルトが柱まで十分に届いて強固に固定できるように長めの65ミリのコースレッドという木工用のネジを使いましょう。コースレッドは引く力に強く、ネジ山が深く釘の5倍の強度があるためボードを固定するのに最適のネジです。
ボルダリングボードを作成するコンパネを購入
ボルダリングボードはコンパネという、べニア板を何枚か重ねた合板を使います。コンパネの厚さには種類があり、厚いほど価格も高く、自宅のボルダリングボードには15ミリ以上の厚いコンパネ(できれば18ミリを推奨)を使うとよいでしょう。
コンパネは12ミリが主流で15ミリ以上はあまり見かけません。価格は900ミリ×1800ミリの大きさで、12ミリが1500円程度に対し、15ミリでは2倍以上の4000円越えとなるため、垂木を増やして強度を増し12ミリを使うのも1つの方法です。
コンパネにホールド用の穴をあける
コンパネはただの平らな板ですので、ボルダリングができるように、突起物であるホールドを取り付けるため、あらかじめコンパネに取り付け用の穴をあけます。ホールドは通常10ミリ(9ミリも稀にあるので注意)のボルトを使うので、穴はM12の大きい穴をあけてM10の強度が高い爪付き専用ナットを打ちましょう。
穴の間隔は20センチ程度とし、コンパネと垂木の固定場所には穴あけを避けるようにします。コンパネ1枚に対して40ケ程度の穴をあけてナットを打つ計算です。
ボルダリングボードにかわいいホールドを取り付ける
自宅用のボードに穴をあけたら、ホールドをつけていきます。ホールドはかわいい数字や動物のかたちなど子供が喜ぶものも多く、子供に選ばせるのもよい方法です。子供が使いやすいように、初心者向けのホールド(ガバ)を多めにつけてあげると抵抗なく楽しめます。
ホールドはセットで販売していることも多く、10個セットが10000円くらいで、個数の多いセットで購入した方が必用なものが揃えられて安価です。1枚のボードにはホールドを20個ほどを取り付けて上達にあわせて変えるとよいでしょう。
ボード販売は作業が簡単だけどDIYの方が断然に安い
自宅用ボルダリングボードのみの販売もあり、ホールドの穴あけもサービスでおこなっている店舗もありますが、縦幅120ミリ×横幅2000ミリまでが(厚さ25ミリ)1枚4200円(5枚セット・30250円)と高価です。横幅は2メートルまであるので充分ですが、高さが2メートル程度と考えれば20枚が必要で、20枚セットは11万円で売られています。ホールドは別売りのため、プラス数万円が必要で決して安くありません。
時間はかかりますが、自宅用ではDIYで作った方が断然に安上がりです。
ボードを垂木に固定して完成
最後にホルダーを付けたボルダリングボードを下から順に、垂木に打ち付けていきます。既にボルトを打ち込む場所に印をつけていますが、計算が間違っていることもあるので、自宅の下地を確認しながら65ミリのコースレッドで固定してください。
コースレッドはとくに穴をあけなくても、すんなりと入っていき、素材を壊すことはありませんが、ボードの端は割れやすいので、小さな穴をあけてから打ち込んだ方が安全でしょう。
全てのネジを打ち込んでボードを固定したら、自宅専用ボルダリング競技場の完成です。
DIYで自宅室内につくるボルダリングウォール②借家やマンションの場合
自宅が借家やマンションでは、簡単に壁に穴をあけられませんし、鉄筋コンクリートであれば、特別な方法で土台となる垂木を固定しなくてはいけません。自分の持ち物であったとしても、強度が関係するため管理者に尋ねることも必要となります。
できれば自宅の壁や天井などにキズをつけずに、ボルダリングボードを作ることができれば最高です。借家やマンションなどの壁などを傷めずに、自宅にDIYでボルダリングウォールをつくりましょう。
パイプで骨組みを作ってボードを固定する
自宅用ボルダリングボードを固定する垂木を柱に打ち付けられないため、柱にかわる土台として単管パイプを使って垂木の固定台をつくります。単管パイプはホームセンターで販売されており、長さも調整してくれますし、必要なジョイントの類も全て用意されているので安心です。
まず、自宅の作成スペース(部家の大きさなど)をもとに、単管パイプでつくる土台を考えます。簡単に丈夫な土台を作る方法は、スペースにあわせた四角い単管パイプの囲いをつくることがおすすめです。
ボードの傾きや高さを考えて図面を作成する
自宅に四角い安定した枠をつくれば、追加の単管パイプを加えて傾斜をつけたボルダリングボードを取り付けることができます。自宅室内の壁を使えなければ必然的に小さなボードとなるため、傾斜をつけることで面を広く使えるとともに、角度を変えて難度を調整することが可能です。
単管パイプでは微妙な角度にも対応する部品が数多く販売されているので、自分の作りたいボルダリングウオールをイメージして、紙やパソコンなどに詳しく骨組みを書き込んで作成しましょう。
骨組み造りと垂木の固定
最も重要なのは骨組みの図面造りで、図面ができればあとは図面を見て単管パイプを組み立てるだけです。自宅の床に固定する「土台ベース」や、角度を自由にかえる「自在クランプ」、四角の角で使用する「直交クランプ」を使って、ボードを取り付ける土台をつくりましょう。
垂木の固定にもクランプを使用し、骨組みで角度をつければ、直交用の垂木クランプを使って簡単に垂木を固定できます。ボードの大きさにもよりますが、垂木を横に4本以上は固定しておきたいものです。
ボードの取り付け
ボードの作り方は大きさが違うだけで自宅につくるときと同じなので、参考にしてください。できあがったボードをパイプにつけた垂木にネジで固定します。
自宅の壁に打つ時とは違い、ネジが長すぎると後ろにネジの先が出てしまい怪我につながるため、ボードが18ミリで垂木の厚さが38ミリならば、合わせた66ミリよりも短い45ミリのコースレッドで固定しましょう。
1ヵ所に2本ずつコースレッドを打ち込んでおけば、強く固定できます。
安全マット(クラッシュパッド)は広く厚めにしよう
ボルダリングウォールは完成しましたが、万が一に備えて安全マットは必ず用意してください。子供の場合は、その気になって高くまで登ってしまい、落下して大怪我になることもあります。
身体がやわらかい子供は、跳ねることもあるため、自宅用の安全マットは面積が広く厚いマット(もしくは安全精度の高いマット)を選ぶとよいでしょう。
パイプ式は移動できず場所をとるのが問題
単管パイプでのボルダリングウオール作りは図面がつくれて材料を揃えれば、割と簡単に安価で設置できますが、部屋を1つ分つかってしまうことと、簡単に移設ができないのが問題です。場所に余裕のない方は、④の可動式のボードをおすすめします。
DIYで自宅屋外につくるボルダリングウォール⓷屋外編(庭など)
自宅庭の屋外設置には土台を深く打ち込んで強く固定
自宅でも屋外の庭などにボルダリングウォールを設置するときには、固定方法が問題にあります。重要なのは強度で、庭では壁などに固定できないため地面に深く固定するか、前後に倒れない工夫をして絶対に怪我のないようにしてください。
庭の地面に強固に固定するには専門業者の助けが必要で費用も嵩み、無理にDIYで行うと大怪我をする危険もあります。
自宅の庭で安全に子供を遊ばせたいのなら、後で紹介する低い可動式ボルダリングウォールがおすすめです。
自宅庭の屋外につくるボードには腐食防止加工をする
自宅庭などの屋外用に販売されている商品は腐食加工が施されていますが、DIYでつくるときには風雨への耐久性が問題です。コンパネの片側には腐食加工がされているのが普通ですが、裏側は加工されていません。簡単に腐食加工するならば、ペンキを塗ることです。油性のペンキは滑って怪我をする恐れがあり、水性のものがよいといわれます。
DIYで自宅につくるボルダリングウォール④可動式なら移動ができて便利で簡単
可動式のボルダリングウォールは、移動ができてつくることも簡単です。高さはありませんが、室内にも室外にも利用でき、マンションや借家でも使えます。切ったりする作業もなく短時間で制作できて安全ですが、DIYに比べると割高になり、物足りない印象もありますが、条件の厳しい人にはおすすめです。
自宅にボルダリングボウォールを作る注意点
DIYでボルダリングウォールをつくるなら必要な工具を用意しよう
DIYでボルダリングウオールを作成するには、多数のビスを打ち込んだり、穴をあける必要があります。単管パイプを使う方法ではクランプを繋ぐときにレンチが必要です。
手作業で行うにはキツイので、電動工具があれば簡単で正確な作業ができます。電動ドライバーやラチェットレンチなどがあれば本当に楽に作業ができます。他にも電動ドリルなどもあり、DIYでは材料や人件費で節約できているので、必要な工具は揃えた方がよいでしょう。
ホールドは稀に9ミリボルトもあるため要注意
ホールドのネジは基本的に10ミリがほとんどですが、9ミリの商品もあるので注意しましょう。9ミリのときは、穴も小さくする必要があります。爪付きナットも異なりますので、ホールドと一緒にナットを購入するのがおすすめです。
障害物があれば避けて設置する
自宅の壁にはコンセントなどが設置されています。コンセント移設する方法もありますが、危険を伴うため十分に注意しなければならず、障害物は避けてボルダリングウォールをつくるのが無難です。
自作ボードで子供とボルダリングを満喫する
自分でつくったボルダリングウォールには特別の愛着がわきますし、子供が選んだかわいいホールドがボルダリングを一層楽しくさせてくれるでしょう。
子供と一緒に楽しみながら運動不足を解消できれば、こんなに素敵なことはありません。ぜひ自宅にボルダリングウォールをDIYでつくってみませんか!
文・yadianjianyuan/提供元・暮らし~の
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