1854年創業という長い歴史をもつファッションブランド、“LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)”。世界最高峰の鞄ブランドというイメージが先行するが、近年ではジュエリー、腕時計へと活動の場を広げており、時計製造を開始したわずか3年後には、個別カスタマイズが可能な“タンブール モノグラム トゥールビヨン”を発表している。
時計の特徴としては、ルイ・ヴィトンのトレードマークであるレイエやダミエ、モノグラムなどのデザインパターンを時計に落とし込んだ、オリジナリティあふれる意匠がポイント。腕時計の世界においても、個性が際立つ独自性により評価を高め続けているのだ。
そんなルイ・ヴィトンが2021年4月に開催された“WATCHES AND WONDERS 2021”に参戦。メインモデルである、太鼓のような台形を用いたケースデザインの“タンブール”を軸に、4モデルもの新作を発表した。
タンブール ストリート ダイバー
メゾンならではの色彩や、クリエイティブで型破りなスタイルのディテールにあふれた、ダイバースタイルの新作、“タンブール ストリート ダイバー”。ネジ込み式リューズやスーパールミノバインデックス、逆回転防止インナーベゼルや100mの防水性と、実用性を追求しているのが特徴。
型破りなスタイルというのは“Vを合わせる”というコンセプトにある。1時位置にあるリューズ操作でインナー回転ベゼル上のアルファベットのVを回転させ、Vの形に塗られた分針を重ねると、計測の開始を示す“X”が形成される、ユニークな仕様を採用。
このインナー回転ベゼルのメリットは二つある。ひとつ目はタンブールに共通するイメージである、クリーンでミニマルな印象を保つこと。二つ目は、内側へと緩やかに傾斜するインナーリングを採用することで、自然と時計中央に視線が寄せられ、文字盤に深みと力強さが生まれることだ。
ベルトには2017年にルイ・ヴィトンが特許を取得した、独自のインターチェンジャブルベルトを使用。自身で自由に付け替えることができ、自由自在にスタイルに変化を与えることができる。
タンブール カルペ・ディエム
スペシャルオーダーとして、オートマタを搭載したオーダーメイドウオッチを幾度となく製作してきたルイ・ヴィトン。このたび、これまで培ってきた製作ノウハウを生かし、2年の歳月をかけて製作した“タンブール カルペ・ディエム”をウオッチコレクションに加えた。
ジャンピングアワー、レトログラード式分表示、パワーリザーブインジケーター、そしてオートマタという四つの機構が搭載された本作。針を一切搭載していないが、時刻の確認はいたって簡単。ケースの右サイドにある、蛇の形をしたプッシュボタンを押すと、中央の蛇の頭が持ち上がり、スカルの額にうがたれた時表示窓が出現。それと同時に、蛇の尾が揺れ動き、10時位置の砂時計(パワーリザーブインジケーター)の下に位置する数字で分を示してくれる。
採用されたスカル、骸骨、砂時計は、15世紀より寓喩(ぐうゆ)的な静物画のジャンルのひとつとして、懐中時計や柱時計に描かれていた。それらを現代的に再解釈し、スイスが誇るトップクラスの職人であるアニタ・ポルシェ氏がエナメル製作を、ディック・スティーンマン氏が彫金作業を手がけた。スカルと蛇はいまにも動き出しそうな躍動感にあふれている。
【問い合わせ先】
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
TEL.0120-00-1854
文・松本由紀(編集部)/提供元・Watch LIFE NEWS
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