今年4月、小・中学校において1人1台端末で学ぶ「GIGAスクール構想」が本格始動した。このGIGAスクール構想に基づき、全国の小・中学生は原則、自治体から貸与される通信機能付きのiPadやChromebookなどを日々の学びに利用できる状況が整う。
大学生や在宅勤務の新社会人もまた、オンライン授業やオンライン会議を個人所有のスマートフォン(スマホ)のテザリング機能やモバイルWi-Fiルータ、自宅の固定回線(光ファイバー)などを利用して聴講・参加する必要に迫られているが、光回線は申し込みから開通までに時間がかかり、使い始めたい時に使えないという問題があった。
また、光回線は、初期工事費用がかかるうえ住居形態(戸建て・集合住宅)や、集合住宅では総戸数によって料金プランが変わるため、戸数の少ない賃貸に住む単身者には金銭的な負担が重かった。そうした悩みを解消する製品として、開通工事不要でコンセントに差し込むだけでWi-Fiが使える据え置き型の自宅・家庭用モバイルWi-Fiルータ「ホームルータ」が登場した。
家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」によると、ソフトバンクの「SoftBank Air」シリーズがシェア7割を占め、SIMフリーモデルやUQ WiMAXを引き離し、ニーズを一手に引き受ける傾向にある。
このホームルータ市場に、NTTドコモは「home 5G」のサービス名で参入する。home 5G対応機種のhome 5G HR01は8月下旬の発売予定で、専用料金プラン「home 5Gプラン」は月額4950円だが、ドコモのギガプランとセットで利用すると、ドコモのスマホの料金から毎月最大1100円を割り引く。
ドコモのスマホとの「home 5G セット割」の割引額は、従来の「ドコモ光セット割」と同額で、ahamo契約は対象外という制約も同じ。ドコモは、回線工事が必要な固定回線の「ドコモ光」か、工事不要ですぐに使えるhome 5Gか、2つの選択肢を提示する。
auとUQ WiMAXも、au 5G対応ホームルータの新製品「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」を6月4日に発売する。各社とも、「今すぐPCやWi-Fiタブレットでインターネットを使いたい」というニーズの高さ、利用中の光回線の料金や品質への不満の多さに気づいているようだ。
ドコモのhome 5G HR01やSpeed Wi-Fi HOME 5Gの発売で、固定回線の置き換えとして、次世代通信規格「5G」に対応する5G端末が各家庭に普及する可能性が出てきた。どちらも4G LTEも利用が可能だが、5Gによる高速・大容量通信こそ、販売中のSoftBank Airにないメリット。5Gエリアの広がりとともに、SoftBank Airのほぼ独占状態だったホームルータのシェアに変化が生じそうだ。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
文・嵯峨野 芙美/提供元・BCN+R
【関連記事】
・乗り換えたい新料金プラン、1位はNTTドコモの「ahamo」
・【申請編】マイナンバーカードを作ろう! 自撮り向きスマホで顔写真を撮って申請
・マスクの一時置きにピッタリ! 抗菌・おしゃれな「マスクケース」まとめ
・改悪続くクレカの還元 キャッシュレス決済の本命は即時決済?
・デキる人はこう使う! ビデオ会議で差がつく「Zoom」の超便利テクニック