アインシュタインの才能は物理学だけではなく生物学にも及んでいたようです。
5月10日に『Journal of Comparison Physiology A』に掲載された研究によれば、アインシュタインが1949年(70歳時)において既に、渡り鳥やハチの長距離ナビゲーション能力について研究することで、未知の物理的なプロセスが解明できると手紙に書き残していたことが明らかにされました。
アインシュタインの手紙に「動物の超感覚」に対する予測が記されていた
現代においては、動物の長距離ナビゲーション能力が磁場などを感知に起因することが知られるようになっています。
例えば渡り鳥や犬は主に「クリプトクロム」と呼ばれる目の特殊な受容体を介して磁場を感知しています。
また興味深いことに、クリプロクロムは人間にも存在していることが知られており、外部磁場の変化に動的に反応することもわかってきました。
アインシュタインの手紙が書かれた、1949年当時、この分野はほとんど開拓されていませんでした。
にもかかわらず、アインシュタインが書いた手紙の予言はほぼ的中。その根底にあったのは、物理学者としての洞察でした。
アインシュタインは動物のナビゲート能力も何らかの物理学的な法則に従っており、解明することで、対応する未知の物理現象が明らかになると考えていたようです。
70歳を迎え円熟の極みに達したアインシュタインには、生物の体もまた、物理現象の反応炉にみえたのかもしれません。
参考文献
Long-Lost Letter Reveals Einstein Predicted The Discovery of Animal Super Senses
元論文
Einstein, von Frisch and the honeybee: a historical letter comes to light
提供元・ナゾロジー
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