テスラ社のCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏が「ビットコインによるEV(電気自動車)の購入受付を一時停止する」と宣言しました。

これを受け、ビットコインの価格は一時、10%ほど急落し、5万ドルを割り込む事態となっています。

その結果市場全体で約40兆円あまりが吹き飛んだそう。

同社の声明によると、ビットコインを使った決済の受付は停止するものの、ビットコイン自体は今後も保有し続けるとのことです。

目次

  1. 態度が急変、その原因は「環境問題」?

態度が急変、その原因は「環境問題」?

テスラ社は今年2月、ビットコインに約15億ドルの投資をし、翌月には、同社EVの支払い手段としてビットコインを受け入れる旨を公表していました。

4月の決算報告では、CFO(最高財務責任者)のザック・カークホーン氏が「ビットコインへの投資で約1億100万ドルの利益を生み、第1四半期の収益にポジティブな結果を与えた」と発表しています。

また、同氏は数週間前に「ビットコイン市場は乱高下があり、リスクを伴うものの、中央銀行より高い投資リターンが得られる」と表明したばかり。

しかし、同社のビットコインへの姿勢は、マスク氏の5月13日のツイートで急転しました。

内容は以下の通り。

「テスラはビットコインによる自動車の購入受付を一時停止した。

私たちは、ビットコインのマイニングおよび取引における化石燃料、とくに石炭の急激な増加を懸念している。石炭は燃料の中で最悪の排出元である。

暗号資産は多くのレベルで良いアイデアであり、その将来性も信じているが、同時に環境へ多大なコストを課すものとなり得る。

テスラは一切のビットコインの取引を停止するが、マイニングおよび取引がより持続可能なエネルギーに変われば、再びビットコインを使用するつもりである。

また、取引にかかるエネルギー量がビットコインの1%以下であるような他の暗号資産にも注目している。」

確かに、ビットコインのマイニング市場は、膨大な数の高性能コンピュータを総動員しており、その動力源の大半が化石燃料となっています。

これにはテスラ投資家の一部からも批判が出ていたとのこと。

しかしながら、上のツイート直後にビットコインの価格が急落するほど、イーロン・マスク氏の影響力が大きくなっていることに驚くばかりです。

今後も「テクノキング」の発言から目が離せません。


参考文献

Why have Elon Musk and Tesla suddenly turned against bitcoin?


提供元・ナゾロジー

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