新型コロナウイルスの影響により、ECサイトの利用数と比例するように急増している偽レビュー。市場分析企業・Fakespotの報告によると、全体の約42%が信頼性の低いレビューであると判明しており、アマゾン側も2万件の商品レビューを削除するなどレビューの整合性を保護するために対応しているが、今なお根絶はしていない。
しかし今回、ある公開データベースに、アマゾンの偽レビューを投稿する組織に関与したとみられる20万人以上の個人情報が流出したというニュースが飛び出した。偽レビューも個人情報の流出も歓迎すべき事態ではないが、自業自得というべきか。
個人情報流出騒ぎの後、出品が停止した商品も

個人情報が流出したのはオンラインに公開されているサーバー。そこには、約20万~25万人分のユーザーとAmazonマーケットプレイス出品者のユーザー名、電子メールアドレス、PayPalアドレス、アマゾンプロフィールへのリンクなどの記録に加え、偽レビューの投稿を引き受ける顧客とそれに対して謝礼を支払う出品者とのダイレクトメッセージの記録が含まれていたという。サーバーの所有者は不明だが、流出したメッセージが中国語で書かれていたことから、その組織が中国を拠点としている可能性が高いという。
偽レビューは「指定された商品を購入したサクラが偽レビューを書き、後日、PayPalで商品代金返金という名目で報酬が振り込まれる」という仕組みだと噂されてきたが、今回流出したデータから、その手口が事実であったことが裏づけされた。また、偽レビュー組織の存在は明らかになったものの、どのブランドが偽レビューに関係しているかは不明なまま。しかし、5月10日にはAukeyなどのスマホ周辺機器メーカーの製品が削除されていることがわかっており、今回のデータ流出で取り締まりが行われたのではないかと推測されている。