国産オートマ車の主流となっているCVT専用のオイル、CVTフルードについて解説します。「CVTフルード」とは何かから、メンテナンス方法、交換時期までお伝えします。

目次

  1. 「CVTフルード/CVTオイル」とは?
  2. CVTフルードは交換不要?交換時期は?
  3. CVTフルードの点検方法
  4. CVTはDIYで・自分で交換できる?
  5. CVTフルードの交換費用相場
  6. 【整備士から一言】短距離ユーザーほど気をつけよう

「CVTフルード/CVTオイル」とは?

CVTフルードは交換不要?交換時期や方法、料金などを解説
(画像=©sergojpg/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

CVTフルードとは、「CVT」の内部を円滑に動作させるための潤滑剤のことをいいます。「CVTオイル」とも呼ばれますが、厳密に言えば、オイル=潤滑油となり、フルードは「液体」となり少し異なるものとなります。フルードには、オイル以外の成分が多く含まれているためです。

CVTとは?

CVTフルードは交換不要?交換時期や方法、料金などを解説
(画像=ダイハツ D-CVT。新型タントに搭載される。、『MOBY』より引用)

CVTとは、英語の「Continuously Variable Transmission」頭文字を取ったもので、直訳すると「連続可変変速機」となります。

日本の自動車用語では「無段変速機」と呼ばれ、段階のないトランスミッションとなります。

CVTの仕組み

CVTフルードは交換不要?交換時期や方法、料金などを解説
(画像=原付のCVTエンジン。2つある銀色の滑車をプーリーと呼ぶ。、『MOBY』より引用)

CVTはエンジン側とタイヤ側の間に2つのプーリー(滑車)があります。それぞれのプーリーは2枚の板で構成され、その板の幅は可変できるようになっています。板の幅を狭くするとプーリーの間のベルトは圧迫されてプーリーの中心部へ行き、逆に広くするとプーリーの外側にベルトが移動します。

このプーリーの幅の可変とベルトの移動の差異を用いてタイヤ側の回転数を可変させるトランスミッションがCVTです。

下の動画は、ダイハツ タント新型に搭載された「D-CVT」の模式図です。一番左の青い部分がCVTのプーリー部分です。ここに注目してご覧ください。

CVTフルードは交換不要?交換時期は?

CVTフルードは交換不要?交換時期や方法、料金などを解説
(画像=©gearstd/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

車の取扱説明書を見ると車種により違いはありますが「CVTフルードはシビアコンディションでなければ交換不要」という旨が記載されています。

この場合、文字通り受け取れば、「私の車は、シビアコンディションではないので交換不要」と思われる方が少なくないでしょう。しかし、これにはちょっと落とし穴があります。

シビアコンディションとは?

車の分野でいうシビアコンディションとは、過酷な状況で運転することが多いことを示しますが、具体的に走行距離、走行時間、走行時の負荷などを明確に示すものはありません。

毎日の通勤通学と、週末のたまのドライブといったありふれたカーライフ、アクセルなんて全開にしないよ、といった普通の乗り方をしているつもりでも、注意が必要です。

特に、近距離を毎日運転する人は要注意。年間の走行距離自体が少なくても、1回の走行でエンジンオイルが適温まで上がらずオイルが劣化しやすくなり、シビアコンディションに該当します。アイドリング時間が長い場合も同様です。

つまり、近所に買い物に行くだけに車を使うことが多い、駅に子供を迎えに行ってアイドリング状態で待っていることが多い人は、車に負荷をかけていることになります。

CVTフルードの交換時期

前述しました、交換不要という状況もありますが、CVTフルードの交換時期を10万kmまたは5年としているケースがよくあります。

ただ、交換不要も含めて取扱説明書に書かれる交換時期はあくまで目安です。車の定期点検でCVTフルードがきちんと点検項目に入っているかの確認は必要ですが、定期点検で交換が必要となれば、必ずそのときに交換しましょう。

CVTフルードの点検方法

CVTフルードは交換不要?交換時期や方法、料金などを解説
(画像=©Kirill Gorlov/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

基本的に、一般ユーザーがCVTフルードを正しく点検できる方法はありません。多くの車種ではCVTフルードの量すら点検できません(エンジンルームを開けただけでは)。エンジンオイルのように量や汚れを簡単に点検する方法はありません。ディーラーや自動車整備工場で点検してください。

CVTはDIYで・自分で交換できる?

前述したとおり、多くの場合は一般人が簡単に点検できるようなものではないので、自分で交換するのは困難です。不可能ではなく、自分で交換すること自体も違法ではありませんが推奨しません。CVTフルードの交換は、ディーラーか自動車整備工場で実施してください。

CVTフルードの交換費用相場

CVTフルードは交換不要?交換時期や方法、料金などを解説
(画像=©faula/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

CVTフルードの交換費用は、車種により大きな変動がありますが、概ね5,000円~20,000円となります。

CVTフルードの痛み具合がひどいと、交換費用はこれ以上に高くなる(フラッシング洗浄に使用する“捨てCVTフルード”の量が嵩む)ことがあります。

Amazonなどのネット通販サイトで購入は可能ですが、ネットで買ってディーラーに持っていっても、全体の費用を安くすることができるかどうかは定かではありません。

【整備士から一言】短距離ユーザーほど気をつけよう

CVTフルードは交換不要?交換時期や方法、料金などを解説
(画像=『MOBY』より引用)

CVTフルードの交換は自分で気軽に行えるものではありません。頻繁なメンテナンスは不要ですが、毎日短い距離を走っている、アイドリングが多いといった日常使いメインの場合でも、車への負担はかかっています。

そのため、短距離ユーザーでも、愛車を長持ちさせるためには、定期的なCVTフルードの交換が望ましいです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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