Twitterに実装されたばかりの新機能が注目を集めている。それが音声でコミュニケーションを取り合える機能「スペース(Spaces)」だ。音声SNS・Clubhouseが世界的に流行すると、TwitterやFacebookといった既存の大手SNSもこぞって音声チャット機能を取り入れだしたことは読者のみなさんもご存知のことだろう。そんな“Clubhouse潰し”とも思える音声チャット機能の導入は、各SNSの差別化をより困難にする可能性も秘めているが果たしてどのように特色を出していく戦略なのだろうか…。今回はTwitterのスペースの特徴とユーザーの反応から、Twitterが狙う今後の路線を考えていきたい。

音声チャットサービスがTwitterでも提供開始!

 事前のテスト版を経て4月にTwitterに登場した音声チャット・スペースは、まさに“Twitter版Clubhouse”といったイメージだ。しかし実際にスペースを利用したユーザーからは相違点も伝えられており、しっかりと差別化は図られているようだ。

 最も大きな違いは“サービスを利用できるユーザー”の範囲だろう。いまだAndroidスマホ版のアプリが公開されていないClubhouse(5月6日時点)に対し、スペースはTwitterのユーザーであれば機種に関係なくだれでも利用可能だ。ただしスペースも、音声チャットを開始する(ルームを新規作成する)ホストとなることができるのは「フォロワー600人以上」のユーザーに限定されている点は注意が必要だ。フォロワー600人未満のユーザーは、他人の作ったスペースに入ることで、コミュニケーションに参加したり会話を聞くことができる。
 またユーザーがスペースに参加すると、そのユーザーのフォロワーのタイムライン上部に自動的に表示される。つまりユーザー視点で見れば“自分がフォローしている人がスペースに参加していることがすぐにわかる”のだ。憧れの有名人が何かのスペースに参加しているとわかったら、入ってみたくなる人も多いのではないだろうか。スペースの利用レビューでも、「Clubhouseはルームの内容に興味を持ったら入る」もの、「スペースはフォロー・フォロワー関係を重視して、その人の話を聞くために入室する」ものであり、「設計思想から違いがある」と考察している。