現在、世界の約25.6億人が近視に悩まされており、20歳以下の日本人の95%は近視用眼鏡を必要としています。

これまで近視の改善は難しいとされてきましたが、日本企業「窪田製薬ホールディングス」は、それら近視に悩む人々の希望となるかもしれません。

彼らは、近視を恒久的に治療するかもしれない眼鏡「クボタメガネ」を開発中であり、近い将来に販売予定です。

詳細は2020年12月16日のプレリリースで確認できます。

目次
近視の原因のほとんどは「角膜から網膜までの長さ」の伸長である
1日1時間で近視が治るクボタメガネ

近視の原因のほとんどは「角膜から網膜までの長さ」の伸長である

1日60分の着用で「近視を治す」クボタメガネが開発中 2021年後半アジアで発売予定
(画像=近視は眼軸長が伸長し、網膜上でピントが合わなくなることが原因 / Credit:窪田製薬、『ナゾロジー』より引用)

近視の原因は複数ありますが、その多くは軸性近視であり、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が伸長することで生じています。

通常、人間の目は水晶体を膨らましたり引き伸ばしたりすることで、網膜上でピントが合うようになっています。

ところが眼軸長が通常よりも長くなってしまうと、遠方を見た際、どんなに水晶体を薄く引き延ばしても、網膜上でピントを合わせることができません。

網膜の手前に焦点がずれてしまい、結果として私たちの視界がぼやけてしまうのです。

この眼軸長の長さは成長過程で伸びていき、最終的に正常なバランスが保たれるようになっています。

しかし、勉強、読書、テレビ、ゲームなど近くのものを見続けることでバランスが崩れ(眼軸長が伸長する)、近視になると考えられています。

そして窪田製薬は、眼軸長を短く矯正する眼鏡を開発することで、近視を根本的に改善しようとしているのです。

1日1時間で近視が治るクボタメガネ

1日60分の着用で「近視を治す」クボタメガネが開発中 2021年後半アジアで発売予定
(画像=伸長した網膜の周辺部に映像が投影・刺激 / Credit:窪田製薬、『ナゾロジー』より引用)

開発中のクボタメガネは、装着することで人工的な光が眼球に照射されるようになっています。

これにより後方に伸長した網膜の周辺部には焦点がぼやけた特殊な映像が投影され、この刺激によって眼軸長の短縮が誘発されるとのこと。

ちなみに、この技術は「myopic defocus」と呼ばれる近視抑制技術(米国食品医薬局FDA承認)を応用したものであり、myopic defocus自体はすでにクーパービジョン社のコンタクトレンズ「MiSight 1day」に採用されています。

1日60分の着用で「近視を治す」クボタメガネが開発中 2021年後半アジアで発売予定
(画像=クボタメガネテクノロジーの推移 / Credit:窪田製薬、『ナゾロジー』より引用)

クボタメガネは現在開発中ではあるものの、試作機における12名のテストでは、被験者の眼軸長の短縮が確認されました。

窪田製薬によれば、1日60分から90分の装着を続けることで近視が改善するとのこと。

クボタメガネは2021年後半にアジアでの販売が開始される予定です。

眼鏡やコンタクトレンズ、またレーシック手術に頼らなくてもよい近視患者にとって夢のような世界がもうすぐ実現するかもしれません。


参考文献

Japanese Firm Develops Vision-Improving Smart Glasses

クボタメガネについて

元論文

Kubota Vision Provides Update on Kubota Glasses – Wearable Device for Myopia Control


提供元・ナゾロジー

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