春節とは、中国における旧暦の正月(旧正月)のことで、中国で最も伝統的で重要とされる祝日です。

2021年の春節は、大みそかの2月11日から17日までの7連休でした。

本記事では、中国での春節の祝われ方や、2021年での日程、これまでの春節のインバウンド業界の動き、そして横浜・神戸各中華街での春節でのイベントなどを紹介します。

目次

春節とは
 ▶︎春節とは|中国での正月
 ▶︎中国での祝い方
 ▶︎中国の他の大型連休
2021の春節とは
 ▶︎2021特有の春節の過ごし方
 ▶︎コロナ収束後の春節トレンド|インバウンド客獲得のチャンスは続く
日本での春節の祝い方
 ▶︎横浜中華街でのイベント
 ▶︎神戸南京町での春節イベント
訪日意欲は衰えず、日本でも春節への注目高まる

春節とは

春節とは、中国における旧暦の正月です。ここでは中国での春節の取り上げられ方や、中国の他の大型連休について紹介します。

春節とは|中国での正月

春節とは、中国における旧暦の正月(旧正月)のことで、中国の祝日のうち最も伝統的で重要とされ、新暦の正月よりも盛り上がりを見せます。

春節の休日期間は、元旦に当たる春節当日の前日から、平均して7日間となっており、その日にちは毎年異なります。

春節期間中の各日は以下のように呼ばれます。

  • 2月11日(月) 除夕
  • 2月12日(火) 春節
  • 2月13日(水) 初二
  • 2月14日(木) 初三
  • 2月15日(金) 初四
  • 2月16日(土) 初五
  • 2月17日(日) 初六

2021年の春節は、大みそかの2月11日から17日までの7連休で、それに伴い2月7日(日)と2月20日(土)は振替出勤となりました。

また2022年以降の春節は、以下の日程で予定されています。

  • 2022年の春節 2月1日
  • 2023年の春節 1月22日
  • 2024年の春節 2月10日
  • 2025年の春節 1月29日
  • 2026年の春節 2月17日

中国での祝い方

中国の例年の春節では、帰省ラッシュが起こり、中国のお年玉「紅包(ホンバオ)」も用意されます。

大みそかには大掃除をして、縁起物を飾り付け、おせちを作ります。

新年になると、環境規制もあって近年では減ってきていますが、花火や爆竹を上げることもあります。

また「怒ってはいけない」「食卓の魚をひっくり返してはいけない」などのしきたりがあり、幸運を逃してしまうため、旧暦の1日には髪の毛を洗ったり、掃除したりしてはいけないとされています。

幸運をもたらす習わしとしては、特に年女と年男は、不幸や災難を防ぐため、赤い下着を身につけるとよいとされています。

さらに大みそかに魚などの幸運な食べ物を食べたり、元旦に残っている鯉やナマズを食べるのもよいとされるほか、赤い爆竹や花火に火をつけて悪を追い払ったりします。.

よく使われる新年のあいさつには、以下のようなものがあります。

  • 新年快楽(新年快乐 / xīn nián kuài lè)新年あけましておめでとう
  • 恭喜発財(恭喜发财 / gōng xǐ fā cái)経済的に豊かになりますように
  • 大吉大利(dà jí dà lì)大きな良いことがありますように

中国の他の大型連休

中国では、春節のほかにも大型連休が予定されています。

2021年の中国の大型連休は、以下の日程となっています。

休日名 期間 合計日数 振替出勤日
元旦 1月1日(金)~1月3日(日) 3日 なし
春節 2月11日(木)~2月17日(水) 7日 2月7日(日)、2月20日(土)
清明節 4月3日(土)~4月5日(月) 3日 なし
メーデー 5月1日(土)~5月5日(水) 5日 4月25日(日)、5月8日(土)
端午節 6月12日(土)~6月14日(月) 3日 なし
中秋節 9月19日(日)~9月21日(火) 3日 9月18日(土)
国慶節 10月1日(金)~10月7日(木) 7日 9月26日(日)、10月9日(土)

2021の春節とは

コロナ禍を経て、中国での春節の過ごし方は変化を見せています。その様子を紹介します。

2021特有の春節の過ごし方

中国政府が2021年の休日を発表した11月に、オンライン旅行サイトでは春節旅行の予約が多く入り、Trip.comでは2020年よりも150%増加しました。

ただし政府がステイホームを呼びかけたため、今いる場所で年を越す「就地過年」が今年の春節の主流となりました。

大都市のホテル予約が増加し、高級ホテルや民泊での年越しに人気が集まりました。

また帰省が控えられ親戚で集まる機会が減ったことから、お年玉をデジタル送金する人が増えました。

春節映画で最も人気だったのは、日本を舞台に撮影され、妻夫木聡や長澤まさみが出演した「唐人街探案3」で、35.65億元の売り上げを記録しました。

携程(Ctrip)のデータでは、前年の春節時期と比較して、観光施設のチケット予約数が300%以上も増加し、観光スポットの予約状況は、元日にあたる2月12日がピークとなりました。

コロナ収束後の春節トレンド|インバウンド客獲得のチャンスは続く

人の移動が控えられる中でも、中国人の訪日意欲は根強いものとなっています。

日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)が2020年4月に行った調査によれば、回答した中国のインターネットユーザーのうち、約72%が訪日旅行を前向きにとらえていることがわかりました。

「中国政府や日本政府が安全宣言を出したら行ってもよい」との回答は58.6%にのぼっており、政府による安全宣言が影響する可能性もありそうです。

新型コロナウイルス感染拡大以前には、多くの中国人が春節で日本を訪れていたため、コロナ収束後もこの傾向は続くと考えられます。

日本での春節の祝い方

2021年の春節では、中国国内にとどまらず、日本の各中華街でもイベントが行われました。その様子を紹介します。

横浜中華街でのイベント

35回目の開催を迎えた横浜中華街では、2021年は、龍舞や獅子舞、皇帝衣装のパレードといった、例年の催し物は見送られました。

一方で、初の試みとなる「ランタンオブジェ パビリオン」が開催され、春節を迎える2月12日の前夜には、横濱媽祖廟でカウントダウンが行われました。

また写真家の薬袋勝代(みないかつよ)さんが、約20年にわたって春節の模様を撮影した中から、厳選した約200枚の写真を映像化したものが、コミュニケーションスペース「ChinaTown80」で公開されました。

2021年の春節、日本ではどう祝ったか?横浜・神戸の関連イベントを紹介

(画像=▲横浜中華街のイベント情報:横浜中華街発展会協同組合 公式サイト、『訪日ラボ』より 引用)

神戸南京町での春節イベント

神戸南京町では、中国伝統芸能やポチ袋くじなどの、例年のイベント開催は中止されました。

2021年は「アーカイブ春節祭」と題し、春節祭誕生秘話や獅子舞の解説などを伝える動画が配信されました。

また神戸市中央区中山手通には「関帝廟」があり、商売繁盛の神様としても信仰される「関帝さま」こと「関聖帝君」が、旧暦元日のみ特別に広場でも祀られました。

さらに神戸北野春節祭でも、「YouTube」と「SHOWROOM」の2元同時に、獅子舞や民族舞踊などのパフォーマンスがライブ配信されました。

訪日意欲は衰えず、日本でも春節への注目高まる

春節は毎年その期間が変わりますが、大みそかを含め7日間ほどかけて、大々的に祝われます。

日本の正月と同じように、中国の春節でも様々な風習があります。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、旅行や帰省は減ったものの、日本への来訪意欲は依然として高くなっています。

日本でも各地で春節に関連したイベントが行われ、日本でも春節への注目が高まっていることがうかがえます。

<参照>

中国旅行:春節の日付、期間、過ごし方、挨拶、食べ物、面白い習俗をご紹介

HUFFPOST:旧正月の祝い方、国によってここまで違う。中国・韓国・ベトナムは…

神韻芸術団:中国式旧正月の祝い方

人民網日本語版:中国の2021年の祝日・連休スケジュール発表

PR TIMES:【最新レポート】2021年中国旅行市場の新変化 春節期間中の観光収入は2019年の約6割まで回復

JIMC:【中国人最新訪日意識調査】コロナ後も中国人の訪日意欲は旺盛! 日本は「行きたい国No.1」に

横浜観光情報:横浜中華街 2021春節

横浜中華街:2021春節

南京町商店街振興組合:2021南京町春節祭

神戸北野春節祭:神戸北野春節祭

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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