韓国が未来電気自動車の普及拡散において、中核的なインフラとされる無線充電(ワイヤレス)技術の国際標準化を主導しようとしている。
(参考記事:「韓国の防疫モデルがISOで国際標準に制定…コロナなど診断検査方式などを定義化」)
韓国産業省(産業通商資源部)の国家技術標準院は、韓国が提案した停車中の高出力無線充電技術の国際標準制定に向けた国際標準化会議を15日、オンラインで開催した。
この日の会議には、韓国科学技術院(KAIST)、ヒュンダイ自動車、WiPowerOneなど韓国国内の大学及び企業の専門家と米国、ドイツ、スイス、イスラエルなど7か国の海外専門家30人余りが参加した。
無線充電は駐車と同時に充電が可能で、走行中にも充電できる次世代充電方式であり、世界各国が技術開発と実証事業を進めている。産業省によると、「韓国と日本が国家標準の先占を競争している」とのこと。
現在、国際電気標準会議(IEC)では、韓国が提案した3種と日本が提案した3種など、6種の国際標準案についての技術議論が活発に行われている。
このうち、停車中の無線充電技術は、日本が3種の標準案を提案し、国際標準化を主導してきた。しかし、日本の標準案は出力11kW以下の無線充電についてのみ規定しており、技術成長に限界があるという評価だ。11kWはマンションなどに設置された緩速有線充電器と同レベルの出力だ。
韓国は2020年7月に急速充電器レベルの50kW以上の高出力無線充電技術について国際標準案をIECに提出し、中核的な技術の国際標準化を進めている。この標準案は同年12月、国際標準制定の第一関門である新規作業項目(NP)採択の手続きを成功的に終わらせた。
50kW級の無線充電が実用化されれば、約1時間でバッテリー容量の80%まで充電することが可能となり、交差点などで信号待ちの約1分間の充電でも4~5kmを走行することができる。
この日の会議は、新規作業項目(NP)採択後、高出力無線充電技術の国際標準制定に向け構成されたプロジェクトチームによる、第一回目の技術議論をするために開かれた。ここでは、無線充電器のコア部品であるコイル構造についての議論が重点的に行われた。
この他、韓国は電気自動車無線充電の中核的な技術である走行中の充電分野で、2種の国際標準案を提案し、産業省は「この分野で国際標準化を先導している」と強調した。
国際標準院は今年7月にも、電気自動車無線充電の国際標準化会議を開催し、韓国が提案した走行中における無線充電技術についての国際標準化議論を主導していく計画だという。
(参考記事:「サムスン「KDDIと5G関連技術の共同検証に成功」と発表…国際標準規格を提案へ」)
(参考記事:「韓国政府「韓国提案の次世代素材特性評価法がIEC国際標準に採用」と発表」)
(参考記事:「[特集]貿易技術障壁に対応しないと韓国の輸出が狭まる(KCCI)」)
提供元・コリア・エレクトロニクス
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