日本各地で週末にかけた寒波が予想されており、所によっては積雪も心配されます。
この寒い時期によく見られるのが、屋根からぶら下がる「つらら」です。
つららをポキっと折って、食べた経験のある人もいるでしょう。
しかし、アメリカ在住の気象学者ケイティ・ニコラウさん(24)は「つららは絶対に食べてはいけない!」と警鐘を鳴らします。
ケイティさんは、つららを食べる動画をSNSにアップする若者が多いことを受け、「鳥のフンを食べているようなものだ」と注意しました。
一体、どういう意味でしょうか。
つららは鳥のフンを拾い集めてできたもの⁈
アメリカのニュース番組で人気の気象学者であるケイティさんは、つららを食べることの危険性を訴えるべく、TikTokに動画をアップしました。
動画冒頭に若者がつららを食べる様子を引用したあとで、「お願いだから、食べないで!」と続けます。
ケイティさん曰く「それは氷ではなく、ゴムや鉄、タール、鳥のフンがたくさん入った有害物質を食べているのと同じ」とのこと。
つららは、屋根に降り積もった雪が溶け出し、軒先から流れ落ちるときに作られます。
言い換えれば、つららになる水は、屋根の上のゴミや有害物を拾い集めているということです。
「屋根の上には一体何があるでしょう。たくさんの鳥のフンです。
水はそれを拾ってくるので、つららを食べるのは鳥のフンを食べているのと同じなのです」とケイティさんは指摘します。
続けて「SNS上には、つららを食べる動画が驚くほどよく見かけられます。
確かに一見すると清潔に見えますが、顕微鏡で見ると炭素やチリといった有害な微粒子がたくさん見つかります。
大気中の水蒸気がこの微粒子に集まって水滴を作り、それが雨や雪として屋根に落ちます。
そして溶けた水滴が屋根の上のゴムや鉄、タール、鳥のフンをかき集めてつららとなるのです。
なので、つららを食べるのは絶対にやめなければなりません」と説明します。
鳥のフンには、オウム病クラミジアという病原菌などが含まれます。
これによって発症する「オウム病」は、急激な高熱や肺炎、髄膜炎を引き起こします。
他にも、サルモネラやカンピロバクターなども多分に含まれ、非常に危険です。
また、つららだけでなく、都市部や街中に積もった雪も食べるべきではありません。
こちらも大気中の排気ガスや汚染物質を多く含んでいるので、人体への悪影響となります。
つららや雪が、天然のアイスキャンディーやかき氷に見えても我慢しましょう。
参考文献
iflscience
dailymail
提供元・ナゾロジー
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