「ほかの動物の目には世界がどう映っているのか?」
気になったことはありませんか。
人も魚も鳥も、住む場所は違えど、同じひとつの世界に暮らしています。
しかし、私たちは体のつくりが違うので、世界の見え方も大きく違うはずです。
アメリカの企業・HomeAdvisorはこのほど、ペットの動物に見える世界を目の構造から忠実に再現した画像を公開しました。
モデルとなる画像は、ページ上部の「人の目で見た部屋」です。
一体、どんな風に見えているのでしょうか?
目次
「犬」が見る世界
「猫」が見る世界
「金魚」が見る世界
「オウム」が見る世界
「ヘビ」が見る世界
「タランチュラ」が見る世界
「犬」が見る世界
まずはペットの代表格である「犬」の視覚世界です。
人にくらべて、全体の色が薄く、視力もそこまで強くありません。
人の目は、赤・緑・青の3原色の組み合わせでカラフルな色を見ますが、犬には青と黄色の2原色をもとにします。
そのため、パステルカラーのような静かで落ち着いた世界が広がります。
また、ものの細部や形を見分ける視力は、人の20〜40%ほどしかありません。
これを補うために、鋭い嗅覚が発達しているのです。
「猫」が見る世界
猫は視覚に大きく頼る動物ですが、色覚は弱く、視力もそれほどよくありません。
視野は広いですが、それでも私たちの180度にくらべて、猫の視野は200度ほどです。
犬と同じく赤色を見分けることがほぼできないので、赤色のオモチャを与えてもあまり反応しないでしょう。
しかし、猫は弱い光に敏感に反応する「桿体(かんたい)細胞」が豊富なため、優れた夜目をもっています。
「金魚」が見る世界
ペットとしても人気の金魚は、私たちよりはるかに広い光の波長を捉えています。
例えば、金魚は水中での高い視力を実現するために「紫外線」を見ることが可能です。
私たちには紫外線が見えません。
また、ほぼ360度から光を取り込むことができ、水と同じ密度の角膜をもつことで水中での光の歪みをなくしています。
「オウム」が見る世界
オウムを含む鳥類は、赤・緑・青の3原色にくわえて紫外線も見えるため、人とはまったく違う世界が広がっています。
視野はほぼ300度とかなり広く、すばやく焦点を合わせることもできます。
いわゆる「単眼視力」もあるため、片方の目をあるものに当て、もう片方を別の焦点に合わせることも可能です。
「ヘビ」が見る世界
ヘビをペットとして飼う人も多いですが、残念ながら彼らの視力はとても弱いです。
目全体がコンタクトレンズのような一枚のウロコに覆われており、まばたきはできません。
また、目が側頭部にあるため、ものが立体的に見えないのです。
そのせいで動く獲物には反応できますが、止まっていると気づかずに通り過ぎることもあります。
しかし、目と鼻の間にある「ピット器官」で赤外線を感知できるため、温度を可視化したサーモグラフィーのような世界を見ることができます。
「タランチュラ」が見る世界
タランチュラを含むクモは、おおよそ4〜8個と目を多くもっています。
ところが、数の多さに反して、視力はとても弱いです。
色を見分けることもほぼできず、全体的にボヤけています。
その代わりにクモは全身にびっしり生えている細かい体毛によって敏感に世界を感じ取っています。
そもそも私たちとは生活圏が違うので、遠くがボヤけても特に問題はないのでしょう。
参考文献
boredpanda
dailymail
提供元・ナゾロジー
【関連記事】
・ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
・人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
・深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
・「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
・人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功