消費税率10%アップと同じタイミングで自動車関連も軽減税率の対象となっています。「自動車税」や「自動車取得税」といった消費者にとって重要な税の内容が大幅に変更されているため押さえておきたいところです。

今回は軽減税率の中身とともに今後車を購入するときにメリットが大きい車種の一例を紹介します。

軽減税率でメリット大なのは2020年上旬に発売するあの車種

今回の自動車関連の軽減税率で優遇されるカテゴリは、「排気量が少ない電気自動車やプラグインハイブリッド車等」です。詳しくは後ほど解説しますが最も税金の引き下げ効果があるのは1,000cc以下。

加えて2,000cc以下でも引き下げ効果は大きいです。今までエコカー減税で優遇されてきたカテゴリですが引き続き税制面でメリットがあります。

上記にあてはまる車種の一例は、2020年2月中旬に発売予定のトヨタ「YARIS(ヤリス)」のハイブリッドタイプです。国内ではヴィッツの名で浸透してきた車種ですが「ブランド名変更」「フルモデルチェンジ」としてリリースされます。他主要メーカーの車種では、こちらも2020年2月発売予定のホンダ「新型フィット」のハイブリッドタイプ、日産「リーフ」などです。

では自動車の軽減税率が具体的にどのように変わったのか確認していきましょう。

税金の廃止・名称変更!例「自動車取得税」は「環境性能割」に

まず押さえておきたいのは、消費税10%アップ後(2019年10月1日以降)自動車関連の重要な税金が廃止・導入、あるいは名称変更になったことです。手続き時に混乱しないようしっかり覚えておきましょう。

車を買ったときにかかる「自動車取得税」は廃止となり「環境性能割」が新たに導入されました。また車を保有していると毎年かかる排気量ごとに設定された「自動車税」には、自動車税(種別割)や軽自動車税(種別割)といった風に「種別割」という文言が加わっています。

この名称変更と同じタイミングで「環境性能割」の導入と「自動車税(種別割)」の税率引き下げが行われているのです。それぞれどれくらい得をするのかチェックしていきます。

自動車税(種別割):排気量に合わせて1,000~4,500円引き下げ

対象になるのは2019年10月1日以降に初回新規登録をした自家用の乗用車です。メリットが大きいのは「1,000cc以下(引き下げ前の-4,500円)」から「1,500cc超 2,000cc以下 (同-3,500円)」あたりです。

これ以上の排気量の車では1,000~1,500円程度の引き下げににしかなりません。仮に毎年4,500円引き下げられる1,000cc以下の車に5年間乗り続けた場合、2万2,500円得をすることになります。
 

排気量 引き下げ前の税率 引き下げ後の税率(引き下げ額)
1,000cc以下 2万9,500円 2万5,000円(−4,500円)
1,000cc超1,500cc以下 3万4,500円 3万500円(−4,000円)
1,500cc超2,000cc以下 3万9,500円 3万6,000円(−3,500円)
2,000cc超2,500cc以下 4万5,000円 4万3,500円(−1,500円)
2,500cc超 すべて元の税額より−1,000円

出所:総務省「地方税制度」

環境性能割:電気自動車やハイブリッド車は非課税

自動車取得税の代わりに導入された「環境性能割」はその名の通り環境性能に合わせて税率が低くなる制度です。自家用と営業用といった用途などによって以下のように税率が変わってきます。

環境性能割の税率(乗用車の例)

燃費性能等 税率
自家用 営業用
登録車 軽自動車
電気自動車等 非課税 非課税 非課税
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 1.0%
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 2.0% 1.0% 0.5%
★★★★かつ2015年度燃費基準+10%達成車 3.0% 2.0% 1.0%
上記以外 2.0%

出典:総務省「地方税制度」

対象となる自動車の環境性能が上がるごとに税率が低くなり「電気自動車等」になると非課税です。電気自動車等の“等”には、燃料電池自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド車、クリーンディーゼル車も含まれます。

ただし「電気自動車等」は重量や排出規制に適合しているものだけが対象です。細かい要件があるため、車購入時はディーラーに事前確認したほうがよいでしょう。

環境性能割プラス1%分の期間限定の軽減政策も

上記で紹介した「環境性能割」にプラスして自家用の乗用車(登録車・軽自動車)を購入する場合、環境性能割の税率1%分がさらに軽減されます。ただしこれは2019年10月1日~2020年9月30日までの期間限定の軽減政策ですので、注意が必要です。

また今回の自動車関連の税金変更に伴ってエコカー減税やグリーン化特例の内容も見直されます。詳細な変更点は総務省サイトに記載されているので、今後車の購入を予定している場合は一度確認しておくとよいでしょう。

提供元・YANUSY

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