「いい湯っだな~、ハハハン♪」。数日におよぶ縦走だろうと、たとえ数時間程度しか歩かないワンデイハイクでも、下山後の温泉は言葉に言い表せないほど気持ちがイイ。いや、むしろ下山後を主目的にしようではないか。

六甲山で気軽に冬山気分

冬の六甲山は温泉と楽しみたい

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六甲山の山上エリアからは、大阪湾を一望する絶景が楽しめる。冬はとくに空気が澄んで遠くまで見渡せることが多い。(画像=FUNQ/PEAKS)
  • 歩行時間:3時間
  • 総距離:約9km
  • おすすめの温泉:灘温泉

    六甲最高峰は標高931m。根雪ができるほどではないものの、冬にはときどき雪化粧する。

    交通アクセス抜群で、山上にはさまざまな施設があるので、雪が降っても気軽に行ける。人工スキー場ではスキーやスノーボードができるほか、冷え込みが続くと、北側斜面で滝が凍って、天然の氷瀑が見られることもある。

    登山道は限りなくあるが、積雪時におすすめなのが、摩耶ビューラインで山頂部へアクセスし、山上エリアを探索するプラン。もちろん、しっかり歩きたい方は山麓からどうぞ。凍結が怖い下りは六甲ケーブルで。

    JR六甲道でバスを降り、駅からほど近い灘温泉へ。非常に泉質のいい天然温泉でありながら、銭湯料金で入れる。近隣には灘温泉水道筋店、おとめ塚温泉もある。北麓の有馬温泉だけではなく、多くの天然温泉が点在しているのが六甲山の魅力だ。

アドバイス

氷瀑は北側斜面の紅葉谷周辺の滝で見られるが、クランポンが必要なことが多い。また、紅葉谷道はロープウェイ有馬温泉駅南側が通行止めになっており、魚屋道への迂回が必要。

アクセス

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(画像=FUNQ/PEAKS)

各線三宮駅から市バス18系統またはJR灘駅・阪急王子公園駅から坂バスで摩耶ケーブル駅、まやビューラインで摩耶山へ。帰りは六甲ケーブル下から市バス16系統JR六甲道下車。

ライター 根岸真理

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(画像=FUNQ/PEAKS)

六甲山をホームとして各地の山に出没するフリーライター。街から近く、気軽に登れる六甲山は、ハイク・トレラン・クライミング・観光まで多彩に楽しめる点がお気に入り。

蔦沼、さらにその奥へ

足元にも注目してみよう!

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蔦沼までは秋の紅葉期を中心に来訪者が多いが、その奥の赤沼は人気が減る。冬時期はとくに訪れる人も少なく自然の厳しさや自然との一体感が感じられる。(画像=FUNQ/PEAKS)
  • 歩行時間:3時間
  • 総距離:約6㎞
  • おすすめの温泉:蔦温泉

    「自然は不思議に満ちている」をテーマにひとつひとつの小さな命が持つ不思議に目を向けて、十和田湖・奥入瀬の自然を見つめている。

    そんな私が今回紹介する蔦沼・赤沼は南八甲田・赤倉岳の山体崩壊により形成された大きな谷地形のなかにあり、なだらかな起伏と透明度の高い大小の沼が点在している。名湯として名高い蔦温泉の裏山に位置し、気軽に散策と温泉が楽しめる。

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自然の造形により生まれた樹形を見ながら散策するのもおもしろい。(画像=FUNQ/PEAKS)

蔦七沼はトレイルが整備されているが、山奥に位置する赤沼へのアプローチはあまり人も入らなくなる。だが、ひとたび足を踏み入れれば、見渡す限り広がるブナの森。美人林や巨木も多く、北東北本来の深き森の姿を堪能できる。カモシカやノウサギなど、野生動物との出会いも多いだけでなく、氷柱や雪など、自然のデザインもアート感覚で楽しめる。

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雪の上にはツルアジサイの落花など、さまざまな落し物や動物たちの痕跡が見つかる。(画像=FUNQ/PEAKS)

蔦温泉は冬季営業期間が限られている。冷めた体を冷やそうとするのであれば、事前確認と予約は欠かせないだろう。

アドバイス

3月中旬~末、春の陽気を感じられる残雪の堅雪時期がおすすめ。蔦沼周辺で1m弱、赤沼周辺では2m程度の積雪。ルーペや双眼鏡をもって、自然観察しながら歩いてみよう。

アクセス

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(画像=FUNQ/PEAKS)

蔦七沼までは4月~11月中旬まで新青森駅から十和田湖行きのバスが1日5往復程度運行。蔦温泉と仙人橋にバス停がある。積雪時には、雪の壁で死角も多く、車道歩きには気を付けて。

ネイチャーガイド・ カヌーガイド 村上周平

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(画像=FUNQ/PEAKS)

北海道出身、青森県十和田市在住。NExグリーンハウス所属。カヌーと自然をこよなく愛するのんき男。国立公園である十和田湖・奥入瀬エリアの自然に魅入られ拠点とし活動中。

さわらびの湯に向かって一直線

ワンデイながらも充実感たっぷり

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蕎麦粒山からの景色。尾根道と周りの山が見渡せて気持ち良い場所。(画像=FUNQ/PEAKS)
  • 歩行時間:9時間15分
  • 総距離:約19.2㎞
  • おすすめの温泉:さわらびの湯

    奥多摩から自宅のある埼玉県飯能市までの縦走路。急坂や岩場などバリエーションに富んだ歩きごたえのあるルートです。ところどころに見晴らしの良い場所もあり、ロングハイク好きにもおすすめ。

    蕎麦粒山~日向沢ノ峰までは道幅も広く、歩きやすくて気持ちのいい道が続きますが、その後は長めの樹林帯。棒ノ峰の山頂に出ると一気に景色が開け、近隣の山々を見渡すことができます。山頂に桜の木があるので、GWごろには木々の新緑と満開の桜が見られるかもしれません。

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棒ノ峰からの下山道。心地よい沢の音を聞きながら進んで行く。石や岩が濡れているので、足元には注意したいところ。(画像=FUNQ/PEAKS)

棒ノ峰からの下山道。心地よい沢の音を聞きながら進んで行く。石や岩が濡れているので、足元には注意したいところ

ゴールは日帰り温泉「さわらびの湯」。天然温泉が一日の疲れを癒してくれます。さわらびの湯から飯能駅までバスを使うので、入浴前に出発時間を確認しておくと安心です。また、飯能駅に向かう途中にカフェやレストランもあるので、途中下車してお腹を満たすのも良いですね。

奥多摩の周回コースや青梅方面に行くコースもあり、選択肢が多いのも魅力のひとつ。いろいろなコースを楽しむことができます。

アドバイス

長めのコースなので、水や行動食など、不足しないように確保しておくことをおすすめします。日向沢ノ峰からは歩く人が少ないため多少道が荒れている部分があり、注意が必要です。

アクセス

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(画像=FUNQ/PEAKS)

登山口の東日原までは、JR青梅線奥多摩駅から東日原行きバスに乗り換え、約25分。下山後はさわらびの湯から西武池袋線飯能駅またはJR八高線東飯能駅までバスで約45分。

ライター 縣 円

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(画像=FUNQ/PEAKS)

フィールドに近い暮らしを求めて、飯能市に移住し古民家暮らしをしている。休みの日は近くの山でトレイルランやボルダリングを楽しむほか、畑仕事など、田舎暮らしを満喫中。

下山後が楽しみなプチ縦走

東丹沢山裾の隠れた温泉日帰りコース

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(画像=FUNQ/PEAKS)
  • 歩行時間:5時間35分
  • 総距離:約11.5㎞
  • おすすめの温泉:七沢温泉

    子どものころから神奈川に育った私だが、じつはあまり丹沢に詳しくない。そんな私を見かねたか、ある日、丹沢に詳しいK氏、C氏が私を大山へ誘ってくれた。

    大山ケーブルを横目にC氏より「今日は歩くから」の一言。女子でもそこは容赦がない。そう、今日は下山後の「美肌の湯」として知られる七沢温泉が待っている。ひと汗もふた汗も流して、このコースをすべて踏破しようという計画だった。

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(画像=FUNQ/PEAKS)

ケーブルの山麓駅から女坂を登り、阿夫利神社下社で給水し、歩き慣れた山頂まで一気に登る。登山者で賑わう山頂から、東に延びる尾根をとり、自然保護のためにつくられた階段を越えて行く。やがて989mの広場で振り返ると、人で賑わう大山山頂がすぐそこに見えるが、ここは驚くほど人が少なく、純粋に山歩きを楽しめる。

不動尻へ下り、山神トンネルを経て30分ほど行くとつるつる美肌の強アルカリ源泉で知られる玉翠楼に到着。朝からよく歩いた体に、熱いお湯が一層嬉しかった。

アドバイス

水場は阿夫利神社下社のみ。山頂に売店があるが、冬季は閉鎖するので注意。夏季はヒル対策を。山神トンネル(推定200m)は、ヘッドライトが必要になるほど暗い。

アクセス

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(画像=FUNQ/PEAKS)

大山ケーブルカー登山口利用であれば、車の場合は厚木ICから約20分、公共交通機関であれば伊勢原駅から路線バスあり。ケーブルカーを利用すれば山行時間をおよそ1時間短縮できる。

モンベル広報部 葉狩奈穂子

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(画像=FUNQ/PEAKS)

両親の影響で幼いころから自然に親しむ。フランス留学時にはシャモニーでインターンとして働くなど、アウトドアにどっぷり。最近はクライミングやスノースポーツにも挑戦中。

途中の地蔵がキモ⁉ な低山ハイク

冬だからこそ歩きたい、低山の魅力満載の山‼

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スタートしてほどなく神ノ主山。(画像=FUNQ/PEAKS)
  • 歩行時間:4時間5分
  • 総距離:約8.5㎞
  • おすすめの温泉:日光ステーションホテル

    観光客で賑わう駅前通りから住宅街に入ってすぐのところに、鳴虫山登山口はある。日光市街地を横目に静かな樹林帯を歩き進めていくと、ほどなくして神ノ主山の山頂があらわれる。

    さらに木の根っこが少し滑りやすい尾根沿いの登山道をいくと間もなく標高1,104mの鳴虫山山頂に到着。あまり広くない山頂だが、ゆっくり休憩するには十分なスペースがあり、晴れていれば日光連山が一望できる。

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大谷川沿いにある憾満ヶ淵の名物「並び地蔵(別名、化け地蔵)」。渓流沿いに並ぶお地蔵さまが、往きと帰りに数えるとその数が合わないという説が有名。ぜひ数えてみてはいかがでしょうか?(画像=FUNQ/PEAKS)

その先は、合峰(松立山)から周回して東照宮方面へ下るコースが一般的だが、急な斜面に岩場と鎖場があるため体力に自信のない方は、来た道を引き返すことをおすすめする。しかし、この周回ルートはコースタイムが短く、下山したあとの憾満ヶ淵の小渓谷や並び地蔵は見応えがあるので時間をかけてぜひ歩いていただきたい。

日光東照宮から駅までは、ベーカリーやカフェ、さらに日光ステーションホテルには温泉も。散策しながら駅へ戻れるのも魅力なのだ。

アドバイス

登山口周辺と下山口周辺は傾斜が強く、標高1,000m前後のエリアではアップダウンも激しい。コースタイムはそれほど長くはないが水場もないので、水分補給は忘れずに。

アクセス

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(画像=FUNQ/PEAKS)

登山口はJR日光駅、もしくは東部日光駅から徒歩20分程度。下山口から東武日光駅までバス(約8分乗車)あり。温泉のある日光ステーションホテルへは日光駅から徒歩約6分。

おとな女子登山部 ニコ

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(画像=FUNQ/PEAKS)

テントを背負って長く歩く山登りが好きでしたが、最近ではより軽くより遠くまで歩くULスタイルに関心もあり。山登り以外では、インドア派。好きな言葉は「どんぶり勘定」。

冬の北横岳ハイクで温泉の気分を盛り上げる

雪山デビューにもオススメのコース

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見事な八ケ岳ブルー。坪庭も一面真っ白に覆われており、夏に見せていた溶岩台地や高山植物の姿はどこにもない。(画像=FUNQ/PEAKS)
  • 歩行時間:5時間40分
  • 総距離:約10.4㎞
  • おすすめの温泉:小斉の湯

    雪山はハードルが高いと思われがちだが、初心者でも標高2,000m越えの銀世界を気軽に日帰りで楽しむなら北横岳がオススメ。雪山初心者の私も北横岳でスノーシューデビューしました。

    北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅の駐車場には都内から約2時間半、車やバスでのアクセスもしやすくお手軽なのも魅力。ロープウェイに乗り込めば7分で山頂駅に到着。山頂駅を出ると、そこには一面の『銀世界』ここから山頂までの標高差は約250m。

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樹林帯は風もしのげ気持ちよく歩ける。(画像=FUNQ/PEAKS)

コースタイムも短く大部分が樹林帯でトレースもしっかりあるため、スノーシューやクランポン歩行の練習にはもってこい。

途中の北横岳ヒュッテで一息つき、グイっと10分ほど登れば縞枯山や南八ヶ岳が見渡せる南峰に到着。さらに5分ほどで標高2,480mの北峰。こちらからは蓼科山や北アルプスなどが望める360度の大展望。

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美しい自然を感じながら、開放感あふれる露天風呂で体をほぐす。プラス¥1,000で貸切の湯に入れるので、プライベートな空間でのんびりするのも良い。(画像=FUNQ/PEAKS)

山麓駅から車で10分ほど走って小斉の湯へ。天然温泉で5つの露天風呂があり、冷えた体に染み渡ります。

アドバイス

ロープウェイを利用できる点で好アクセスと親しみやすいが、そこは2,000mオーバーの山。とくに冬に訪れる場合には、ウエアなどの基本装備に油断はしないように。

アクセス

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(画像=FUNQ/PEAKS)

車の場合、中央自動車道諏訪ICから国道152号、192号経由で25㎞(40~50分)。バスの場合、JR「茅野駅」下車、アルピコ交通バス「北八ヶ岳ロープウェイ」行きに乗車(約60分)。

モデル 加藤由佳

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(画像=FUNQ/PEAKS)

アウトドア雑誌やCMなどで活動中。「ゆるふわハイク」をモットーに山歩きを楽しむ一方OMMレースに出場するなどストイックな一面も。この冬は雪山テント泊に挑戦したい。

出典
PEAKS 2018年1月号 No.98

PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

提供元・FUNQ/PEAKS

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