目次
「時間」が調味料に
日本でもタレやスープを長年にわたり継ぎ足して受け継ぐ老舗があります。
しかしタイには、なんと45年間も同じスープを煮込み続けるお店があるようです。
同じレシピというだけではなく、まったく同じ場所、同じ大鍋、同じスープで半世紀近くも継ぎ足し続けているんだとか。
一体、どんなスープなのでしょうか。
「時間」が調味料に
スープを出しているのは、タイ・バンコクにある外食店「ワタナ・パニヒ・レストラン」。
実に45年間も継ぎ足し続けられるスープがこちらです。
意外にもおいしそう。
これは「牛肉麺のスープ」で、主な具材はモツや肉団子、煮込んだ牛スジなどで、最後にはスライスしたレアの牛肉も添えられます。
お客さんからの評判も好評で、地元でも大人気のメニューです。
こちらが、店主のNattapong Kaweenuntawongさん。
お店は家族で代々受け継がれており、Nattapongさんで3代目です。早朝の仕込みはお母さんが担当し、午後〜夕方をNattapongさんが担当。
奥さんもウェイターとして協力しています。
スープの残りは1日の終わりに捨てられることなく、翌日のスープとして使われます。ただし継ぎ足すのは出汁だけで、具材は新しく足されていきます。
Nattapongさん、いわく「時間が経つほどスープの風味が増して、独特の味わい深さが生まれる」とか。
大鍋の周りに見られる黒い塊は、鍋を支える土台ではありません。
なんと45年もの間に、少しずつこぼれたスープが固まって積み上がったものなのです。
そもそも継ぎ足しのスープが腐らないのはなぜでしょうか。
主な理由は3つあります。
1つ目は、常に低温殺菌できる温度にあること。2つ目は、塩分や糖分が高いため、細菌が繁殖しにくくなっていること。3つ目は、継ぎ足しによって結局は新しいスープに入れ替わっていることです。
Nattapongさんには3人の子供がおり、「将来的に、誰かが4代目をついでくれれば」と話しています。
提供元・ナゾロジー
【関連記事】
・ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
・人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
・深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
・「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
・人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功