家でリラックスして気分を和らげるため、好きな香りを漂わせるリードディフューザーを楽しんでいる家庭は多いだろう。しかし、乳幼児のいる家庭では、使用や保管に注意が必要だ。ボトル内の液を誤飲した乳幼児が、肺の一部に空洞になり入院する事故が発生した。国民生活センターが4月8日、使用や保管について注意喚起を発表した。

乳幼児がディフューザーの液を誤飲して入院、国民生活センターが注意喚起
リラックスするため香りを楽しむリードディフューザー(画像=『BCN+R』より引用)

リードディフューザーは、ボトルに入った液体芳香剤の液に、リードスティックと呼ばれる木製の棒を浸し、吸い上げられた液を気化して、周囲に芳香成分を拡散するもの。

 2020年11月、「医師からの事故情報受付窓口」に、数週間前に購入したリードディフューザー(50ml)内の液を1歳の乳幼児が誤飲し、肺の一部が空洞のようになる呼吸器障害を負い、約2週間入院。21年3月時点でも通院しており、治るかどうかは不明という事故情報が寄せられた。

 乳幼児は、トイレに置いてあったものを誤飲したようだ。芳香剤の香りがある嘔吐を3回し、激しいせき込みもみられた。その後、40度の発熱や頻呼吸が現れ、翌日、胸部レントゲンで肺炎像と高度炎症反応が認められて入院となった。事故発生から7日目の胸部CTにより、肺の一部が空洞のようになっている箇所がみられた。今回の事象は、誤飲した際、あるいは嘔吐した際に肺に入り込んだ芳香剤の成分による影響を受けたものと考えられるという。

乳幼児がディフューザーの液を誤飲して入院、国民生活センターが注意喚起
(画像=『BCN+R』より引用)

 また、医療機関ネットワークには、20年12月末までの約10年間に、乳幼児が液体芳香剤を誤飲したなどの事故情報が31件寄せられているという。そのうち、「誤飲・誤えん」が28件、「さわる・接触する」が3件。最も多いのは1歳児で15件だった。

 受付窓口に症例を寄せた医師は、「リードディフューザーは、きれいなボトルに長いリードスティックが入っており、子どもの興味を引き付ける。さらに、香りのする液は、飲み物と誤解するおそれが高いと考えられる。飲んだ量などにより今回の症例のように重い症状になることもあるため、誤飲した場合は、直ちに救急、かかりつけ医、日本中毒情報センター等に誤飲した芳香剤について伝え、応急処置や医療機関での受診の必要性について相談することが重要だ」とコメントする。

 多くの製品には、乳幼児の手の届かないところで使用・保管するといった記載がある。国民生活センターでは、あらためて乳幼児がいる家庭では、乳幼児の手や目の届かないところで使用・保管するよう注意喚起している。

提供元・BCN+R

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