肥満解消のために運動は、できる限り効果的に行いたいものです。
2月7日にオープンアクセスジャーナル『Journal of the International Society of SportsNutrition』に掲載された新しい研究によると、有酸素運動を行う30分前のカフェイン摂取は脂肪燃焼を大幅に増加させると報告しています。
また、朝よりも午後に行われる運動の方が、よりカフェインの効果が顕著になるようです。
運動の脂肪酸化率を最大にするには?
肥満解消の運動で重要となるのが、脂肪の酸化率です。
これをできる限り高めることが、ダイエットには効果的とされています。
一般的によく見かけるダイエットの情報では、運動は朝の空腹時に行うのがいいといわれています。
しかし、なぜ朝の運動が効果的なのかはまだよくわかっていません。
人間の体には時間帯ごとのリズムがあるためそこに関連しているのか、それとも睡眠によって長時間絶食していることが関連しているかは、明確に示されていないのです。
また、カフェインがダイエットに効果的だという意見もあります。
これも運動中の脂肪酸化を増やすために推奨されていますが、科学的根拠は不足しています。
そこで、今回スペインのグラナダ大学の研究チームは、昼と夜のサイクルと、カフェイン摂取後の脂肪酸化率に焦点を当てた調査をおこないました。
研究では、平均年齢32歳の活動的な15人の男性に参加してもらい、7日間隔で4つの異なる有酸素運動をおこなってもらいました。
被験者は、朝午前8時と、夕方午後5時に、それぞれ3mg / kgのカフェイン(濃いコーヒーに相当)またはプラセボを摂取して運動を行いました。
この研究では、運動量や運動前の絶食、その他の薬の利用などは厳密に条件をそろえて、運動の脂肪酸化率が計算されました。
結果、有酸素運動を行う30分前に、カフェインの急性摂取をすると、時間帯に関係なく運動中の最大脂肪酸化率(MFO)が増加することが示されました。
さらに、運動中の脂肪酸化率は1日の中で変動することも確認され、同じ絶食時間の場合、MFOは午前より午後とのほうが高くなることがわかりました。
午前の運動では、カフェインを摂取したグループは、プラセボグループと比較してMFOが平均10.7%高くなるという結果が得られましたが、午後の運動ではこのMFOは平均29%も上昇したのです。
今回の研究は、サンプルサイズが小さく、普段のコーヒー消費量や女性、座りがちな人の場合、脂肪燃焼にどういう影響があるかは確認されていません。
しかし、少なくともカフェインによる脂肪燃焼効果の向上は確かなようで、それは午後により高まることになるようです。
少し意識してみると、運動によるダイエットはより効果的になるかもしれません。
参考文献
Tomar un café bien cargado media hora antes de hacer ejercicio aumenta la quema de grasa, según un estudio
元論文
Caffeine increases maximal fat oxidation during a graded exercise test: is there a diurnal variation?
提供元・ナゾロジー
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