台湾・香港人向け、大手訪日メディアである「ラーチーゴー!日本」を運営するジーリーメディアグループと一般社団法人全国道の駅連絡会が協業して、全国道の駅で扱う地域特産品を、台湾向けにインターネットを通じて販売する社会実験(越境EC事業)をスタートさせることを発表しました。

『楽吃購(ラーチーゴー)!日本』内に「おうちで 道の駅!」ページを開設、期販売期間を令和3年4月1日(木)~令和3年9月末と定め、全国18の道の駅より選りすぐられた87の商品を順次販売する予定です。

今回の記事では、「おうちで 道の駅!」の詳細やアフターコロナでの「物産品販売 × インバウンド誘客」について紹介します。

目次

道の駅公式通販「おうちで 道の駅!」が4/1台湾向けにオープン

一般社団法人全国道の駅連絡会と株式会社ジーリーメディアグループが、全国道の駅で扱う地域特産品を台湾向けにインターネットを通じて販売する社会実験(越境EC事業)を行うことで合意し、4月1日より台湾最大の日本情報サイト『楽吃購(ラーチーゴー)!日本』内に道の駅公式通販「おうちで 道の駅!」がオープンします。

台湾では、日本への旅行を見合わせる「訪日ロス」現象が起きる中で、台湾にいながらも日本の商品を購入できる越境ECでは、日本商品の購買欲が高まっています。

ジーリーメディアグループが運営する越境ECサイト(MICHI SHOP)でも、地域限定の商品は販売開始と同時に注文が入るほどの盛り上がりを見せているそうです。

また、国土交通省・観光庁は「道の駅第3ステージ」(2020-2025年)において道の駅を世界ブランドに育成し、多くの外国人が道の駅をインバウンド観光拠点として来訪することを推進しています。

道の駅が地域を代表し、海外に向けて地域の特産品や観光情報を提供できるプラットフォームは、コロナ収束後の道の駅への観光誘客につながるのではないでしょうか。

4月1日よりオープンする「おうちで道の駅!」では全国17の駅から87の地域特産品を販売することが決まっています。

今回発表の社会実験の概要

  • 販売主体:株式会社ジーリーメディアグループ
  • 事務局:一般社団法人全国道の駅連絡会
  • 販売サイト:『楽吃購!日本』内『日本道之驛 好物直送到家』(以下、サイト画面)
  • 販売商品:全国道の駅(17駅)から出品の87商品(順次拡大予定、以下詳細)
  • 販売期間:令和3年4月1日(木)~令和3年9月末
台湾人が日本の「道の駅」に注目 98.3%が「コロナ収束後行きたい」 公式通販サイト4/1オープン
(画像=『楽吃購!日本』内『日本道之驛 好物直送到家』、『訪日ラボ』より 引用)

台湾人の欲しいアイテム調査結果と今回の販売商品(抜粋)

「ラーチーゴー!日本」を運営するジーリーメディアグループが読者を対象に行った『道の駅に関するオンライン調査』「道の駅にてどんな商品が欲しいか?(複数回答あり)」によると「お菓子類」「地元の民芸品・工芸品」「お酒類」の順で購買意欲があることが分かります。

訪日ロスが起きている現状において地域色の強い商品の需要は高く、地域特産品の販売の効果は十分に期待できるのではないでしょうか。

台湾人が日本の「道の駅」に注目 98.3%が「コロナ収束後行きたい」 公式通販サイト4/1オープン
(画像=訪日メディア「ラーチーゴー!日本」オンライン調査 台湾人のほしいアイテム調査結果 、『訪日ラボ』より 引用)

台湾人が日本の「道の駅」に注目 98.3%が「コロナ収束後行きたい」 公式通販サイト4/1オープン
(画像=「おうち道の駅!」の販売商品(抜粋)、『訪日ラボ』より 引用)

台湾・香港人の「道の駅」認知度アンケート結果

『道の駅に関するオンライン調査』によると、「越境ECにて道の駅商品を購買したか」の質問に82.4%の方が購入したいと回答しています。

また、コロナ収束後の道の駅訪問については98%の方が訪問したいと答えており、今回の社会実験である「おうちで道の駅!」ECプラットホームは新たなる台湾人の訪日目的として大きな力を発揮するのではないでしょうか。

台湾人が日本の「道の駅」に注目 98.3%が「コロナ収束後行きたい」 公式通販サイト4/1オープン
(画像=訪日メディア「ラーチーゴー!日本」での道の駅に関するオンライン調査 、『訪日ラボ』より 引用)

物産から始まる観光誘客 今後の可能性

新型コロナ前の2019年、訪日台湾人客数はのべ490万人にのぼっています。台湾の人口が約2,300万人であることを踏まえると、大まかに計算して総人口の約20%が1年で訪日していると言えるのが台湾訪日観光の現状。このような状況において、物産を切り口とした観光誘客は非常に大きな意味を持つとジーリーメディアグループの担当者は述べています。

コロナ禍での物産による地域振興と観光プロモーションについて

台湾人が日本の「道の駅」に注目 98.3%が「コロナ収束後行きたい」 公式通販サイト4/1オープン
(画像=台湾最大の日本情報プラットフォーム『ラーチーゴー!日本』を利用した地域振興のプラットホーム、『訪日ラボ』より 引用)

前回行った「コロナが収束した後に行ってみたい都道府県アンケート」によると青森県が4位と、大阪や沖縄などの多くの人気観光地を凌いで上位にランクインしています。

このような結果の要因に青森県の特産品である「りんご」が大きく関わっているとジーリーメディアグループの担当者は述べており、コロナ禍において全国各地の物産を越境ECや訪日メディアを通じて紹介することは、地域振興はもちろんのこと、コロナ収束後の誘客に大きな影響を与えていると考えられます。

ジーリーメディアグループでは、コロナ収束後に向けた新たな訪日観光誘客のプラットホームとして『ラーチーゴー!日本』を使った「物産品販売 × インバウンド誘客」を提言しており、コロナ禍において「越境EC」による商品の販売、「オンライン商談会・物産展」の開催による地域プロモーションを行なっていくとのことです。

越境ECによる販売は売れることが大前提であるため、台湾人が魅力的と感じる商品を選定することも重要になります。

商品が売れることはスポット的な面において地域振興にもつながりますが、あくまでも越境ECはテストマーケティングとしての位置づけです。

「どのような商品が台湾で人気になるのか」「どのような商品に台湾人は興味を示すのか」などのデータを収集することで今後は、輸出という次のフェーズに繋がるのではないでしょうか。

アフターコロナを見据え「物産から始まる観光誘客」は大きなニーズ、市場を持ち、ニューノーマルにおける新たなる観光誘客の切り口として力を発揮することが予測できます。

ジーリーメディアグループ越境ECでの商品売り上げTOP3

台湾人が日本の「道の駅」に注目 98.3%が「コロナ収束後行きたい」 公式通販サイト4/1オープン
(画像=ジーリーメディアグループ越境ECでの商品売り上げTOP3、『訪日ラボ』より 引用)

株式会社ジーリーメディアグループが運営する越境ECサイト「MICHI SHOP」では、キャラクターグッズや日用品の売れ行きが好調で、訪日ロスの状況においても台湾人の日本商品

の購買意欲が高くあることがわかります。

ジーリーメディアグループEC担当者によると、特にキャラクターグッズや地方工芸品は非常に人気があるとのことで、販売開始後すぐに注文が入る、完売することも多いようです。

アフターコロナのインバウンド事業において越境ECや物産からの誘客がカギを握っているのではないでしょうか。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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