「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の広告を見て「モデルがハイヒールで着物を踏んでいる。違和感がある」とTwitter上で発言があると、これが1万件以上もリツイートされる事態に発展した。「ヴァレンティノ」は広告の動画や写真を削除し、公式Twitterで謝罪釈明した。
問題のシーンで白いドレスにピンクのハンドバッグを左肩に下げたモデルはKoki,(18)。キムタクと工藤静香夫妻の次女だ。問題のシーンは実際に「帯らしき布」を敷いた道をKoki,が歩くシーンがある。このシーンは寺山修司が監督した映画「草迷宮」(くさめいきゅう/1979年/上映時間40分)にインスピレーションを受けたとしている。この映画はオムニバス映画「プライベート・コレクション」の中の一編で三上博史の映画デビュー作だった。原作は泉鏡花の幻想小説である。
「ヴァレンティノ」は、「『ヴァレンティノ コレツィオーネ ミラノ(VALENTINO COLLEZIONE MILANO)』に関連して撮影されたビジュアルについて、多くのご意見をいただいております。日本人のモデルを起用し、日本で撮影を行ったビジュアルにおいて、モデルが着物の帯を思わせる布の上に座る、または歩く、靴を履いて家の中にいるシーンが登場します。これらのビジュアルは日本の文化に敬意を込めて作成されたもので、日本の文化を冒涜するような意図は全くなく、このシーンで使われた布も着物の帯ではありませんが、多くの方に不快な思いをさせてしまったこと、深くお詫び申し上げます。(中略)当該コンテンツに関しましてはただちに削除いたしました。今回の件をブランドおよびコミュニティに対する教訓とし、メゾン ヴァレンティノはグローバルな規模での文化の包括性をさらに推し進めていく所存です」と声明文を出した。
「着物の帯を思わせる布」とは「帯」ではないのかということはこの際深く追求しないでおこう(笑)。その後カメラマンが中国人だという事実も判明して、日本人蔑視はやっぱり本当じゃないのかと蒸し返したりしているが、これだけの反響があったのは、Koki,の起用が成功しているためであるのは明らかで、「ヴァレンティノ」としては痛し痒しというところだろうか。
文・久米川一郎/提供元・SEVENTIE TWO
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