新型コロナウイルスの影響で外出制限が続いたことで、中国国内では越境ECでの消費が拡大しています。
Onedot株式会社が中国・上海のママ100名を対象に行った越境ECに関するアンケート調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う入国制限で中国からのインバウンド消費が大きく影響を受ける中、中国本土では国内で消費する傾向が顕著にみられました。
日本へ旅行ができず、「代理購入」による並行輸入品の販路も断たれたことで、越境ECの公式チャネルを通じて日本製品を購買する動きとなっています。
新型コロナウイルスの影響で中国国内の購買行動も変化しており、これからインバウンド消費にも影響が出てくると思われます。越境ECで日本製品が人気を得る秘密を紐解いていくことで、今後の中国向けインバウンド対策のヒントになるかもしれません。
国別比較では日本製品の購入増1位、2位の韓国引き離す
新型コロナウイルスの影響で、中国では多くの地域で外出制限などの厳しい制限を余儀なくされました。
今回のアンケートは中国・上海のママ100名を対象に越境ECに関する意識・行動についてたずねたもので、約6割が日本製品の購入が増加したと回答しています。
国別に比較すると、2位の韓国を大きく引き離して日本の購入増が1位となり、日本製品は中国人ママ向けの越境ECにおいてきわめて優位なポジションにあるといえます。
越境ECでの日本製品購入額が増えた理由としては、「日本に行って買い物ができない」が1位となっています。
化粧品類の需要増
越境ECで購入が増えた日本製品のTOP3はスキンケア、メイク、ボディ・ヘアケアと化粧品類が独占しています。
中国全体としては外出減によりアニメ関連製品の需要が増えている一方、今回のアンケート対象者は育児で趣味に使う時間が少ないためか、本、雑誌、CD、DVDの需要は他の項目ほど伸びていませんでした。
「日本製」の化粧品人気の理由
日本製品の化粧品が人気である理由としては、日本製品全体に対し、質が高く「安全・安心」という印象があるためだと考えられます。
また、中国国内で日本製品の口コミが投稿されていることも一因として考えられます。口コミには一般消費者だけでなく、インフルエンサーやソーシャルバイヤーらも製品の口コミを投稿しており、越境ECの消費に影響を与えています。
越境EC需要増、口コミの重要性増す
日本製品が越境ECで人気となった理由として、渡航制限で日本に行って買い物ができなかったためという回答が多数を占めています。
また、今後も日本製品を越境ECで購入することが増えるという回答が7割以上あることから、アフターコロナには越境ECでの日本製品の需要が伸びることが予想されます。
訪日して購入する理由として「買う前にその場で試せる」という点が大きかったため、越境ECでの購入が増えれば今まで以上に実際に使用した人による口コミの重要性が高まると考えられます。
中国国内で化粧品の口コミを見られるサービスとして、最近は小紅書(RED)や抖音(TikTok)が注目されています。影響力のあるインフルエンサーやソーシャルバイヤーを活用した取り組みも行われており、アフターコロナのインバウンド施策としてさらなる注目を集めることになるでしょう。
文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ
【関連記事】
・【2020年上半期最新版】訪日ラボ恒例「インバウンド業界カオスマップ」を公開!東京オリンピックを迎えうつ、約1,400サービスを完全網羅
・インバウンドで人気の観光地ランキング TOP30
・2019年インバウンド業界「流行語大賞」発表!2位は「東京オリンピック」1位は?:業界最大級メディアだからこそわかる本当のトレンドを分析!
・中国人が殺到!中部国際空港のセブンイレブンで1時間待ってでも買いたいものとは?
・訪日旅行「現地生活」がこれからの魅力に?外国人が知らない日本のルールやマナーをおもてなしに活かすには