高齢者は孤独・痛み・健康問題を経験しやすいものの、「孤独と痛み」の関係自体は若者でも大人でも見られました。

「孤独」は“人とのつながり不足”だけじゃない

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Credit: canva

孤独=「一人ぼっち」「話し相手がいない」というイメージが強いですが、実際には「周りに人がいても孤独を感じる」ケースが多いことも研究から判明しています。

たとえば、孤独感を感じている人の中にも「頼れる友人や家族がいる」「人と会う機会に満足している」と答える人が少なくありませんでした。

それでも「体の痛み」との関連は残っていたのです。

つまり、「孤独」は単なる人間関係の問題ではなく、「心の満たされなさ」や「社会とのつながり感の質」が大きく影響していることが示唆されます。

この「質」の問題は、文化や社会構造、期待値などによっても左右されることが、国ごとの調査結果の違いからも示されています。

また、孤独を感じる人は独身・離別・死別の割合が高く、経済的に困窮している傾向もありましたが、これらの要素だけで説明できない「孤独ならではの痛みのリスク」が存在していることもわかっています。

チームは「孤独は多面的なグローバル・ヘルス課題」であり、「社会的つながりを増やす」だけでなく、「心理的苦痛へのケア」や「社会的・経済的不平等の是正」も同時に必要だと提言しています。

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参考文献

Loneliness doubles risk of physical pain, study suggests
https://medicalxpress.com/news/2025-09-loneliness-physical-pain.html

元論文

The association between loneliness and pain, and the role of physical health and distress: an analysis in 139 countries
https://doi.org/10.1038/s41598-025-15151-0