その年はちょうどミュンヘン・オリンピックが開催された年であり、ヤングは同僚のチャーリー・デュークと共に「ルナ・オリンピック(Lunar Olympics)」と称して、月面でどれだけ身体を動かせるかを試しました。

そこで2人してハイジャンプ(高く跳ぶ)をしていたところ、ヤングは背中の生命維持装置の重みに引っ張られ、1.2メートルの高さから月面に衝突してしまったのです。

その貴重な瞬間が映像として残っています、

ヤングはそのときの心境をこう振り返っています。

「バックパックを地面に打ちつけてしまった瞬間、私の心臓は恐怖でいっぱいになりました。まさにパニックです!

月に滞在した中で本当にパニックに陥り、『死んだ』と思ったのはこの時だけでした」

幸いにも呼吸器に問題は起こりませんでしたが、これくらいの衝撃でもスーツに異常が出る可能性は高く、命の危険に晒されてもおかしくないといいます。

そのため、月面ではスカイダイビングは言うまでもなく、ちょっとした高台から飛び降りるのも注意が必要なのです。

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参考文献

If You Fell From A Skyscraper On The Moon Would You Get Hurt?
https://www.iflscience.com/if-you-fell-from-a-skyscraper-on-the-moon-would-you-get-hurt-72351

The Second Moon Olympics Nearly Ended In Disaster
https://www.iflscience.com/the-second-moon-olympics-nearly-ended-in-disaster-62531

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。