りそな銀行の岩永省一社長は4日までにインタビューに応じ、ベンチャー企業向け支援を拡大させる方針を明らかにした。新株予約権と融資を組み合わせた「ベンチャーデット」などの実行額を、2029年3月までに累計1000億円まで引き上げる。岩永氏は「日本経済はベンチャー企業なしには成長できない」と強調した。

 ベンチャーデットは、新興企業の将来性を評価し、あらかじめ定めた価格で株式を取得できる新株予約権を付けてもらうなどして融資する手法。企業にとっては株式の希薄化を抑えられるため、新株を発行して資金調達するより経営の自由度を保ちやすい点が特長だ。  りそな銀は今年7月末までに計約57億円のベンチャーデットを実行している。現在は創業直後の企業への融資が中心だが、今後は新規株式公開(IPO)などを見据える成熟期企業への支援にも力を入れ、ベンチャー企業を支援するファンドへの出資も積極化する。

 岩永氏は「企業の成長に伴走し、段階的に資金供給を大きくしていく。将来的には銀行取引にもつながってほしい」と話した。

(記事提供元=時事通信社) (2025/09/04-18:04)