
欧州各国のクラブが今2025年夏の移籍市場で注目した選手の一人が、セルティックに所属する日本代表FW前田大然だった。持ち味であるスピード、守備での献身、そして複数ポジションをこなせる能力が評価され、関心は広がっていた。
スコットランドメディア『Celts Are Here』によると、具体的に名前が挙がったのが、プレミアリーグのブレントフォードである。キース・アンドリュース監督は、前任のトーマス・フランク監督がトッテナム・ホットスパーに去った後に就任し、再建の中心として前田を構想に入れていた。クラブは正式なオファーに動く前に評価額を精査していたという。
また、トルコ1部のフェネルバフチェも関心を示し、移籍金は約2100万ポンド(約42億円)と報じられた。これはジョゼ・モウリーニョ前監督が解任される前の動きだが、欧州で前田の価値が高まっていることを示すものとされた。
さらに同メディアは、トッテナムの名も移籍市場序盤に浮上したと伝えている。アンジェ・ポステコグルー監督がセルティック時代に前田を日本から加入させた縁もあり、正式な入札には至らなかったものの、打診が行われていたという。このほか、サウジ・プロフェッショナルリーグからのオファーや、ブンデスリーガのクラブによる調査も続いていたと報じられた。
前田はインタビューで「オファーは受けた。次のステップに進みたいとクラブに伝えていたが、セルティックは十分に補強できていなかったため、行かせられないと言われた。個人的には合意していたので挑戦したかった」と語った。さらに、日本代表活動のためクラブへの合流が遅れたこともあり、今夏の移籍期限最終日までクラブに希望を伝えていたが実現しなかったことを明かした。
昨2024/25シーズン終盤には契約交渉も行われ、そこにはクラブの大株主も直接関与していたという。複数の移籍機会が存在した事実を踏まえると、前田が落胆するのは当然だ。放出の意思がなかったのであれば、なぜ交渉がここまで進んだのかという疑問が残ると同メディアは結んでいる。