
プレミアリーグでタイトル獲得を目指すアーセナルは、攻撃陣の再編と同時にチームの安定性を模索している。その方針は今2025年夏の移籍市場での判断にも表れており、主力選手を巡る評価額の設定が注目を集めた。
UKメディア『Daily Mail』によると、アーセナルは今夏の移籍市場序盤にブラジル代表FWガブリエウ・マルティネッリへのオファーを受け入れる用意があったという。クラブは同選手を6,000万ポンド(約120億円)超と評価したが、他クラブからの関心は最大でも4,000万ポンド(約80億円)にとどまり、この開きが移籍を成立させなかったようだ。
マルティネッリは2022/23シーズンにリーグ戦15ゴール6アシストを記録し大きな飛躍を遂げたが、その後の2シーズンは控えめな結果に終わっている。同メディアは「今夏の移籍市場の開始時点でアーセナルは売却に前向きだった」と報じ、買い手のクラブが慎重だった背景には、同選手のパフォーマンス低下とアーセナルの価格設定があったとも伝えている。
マルティネッリを手放さなかった判断は、アーセナルが主力流出に安易に応じない姿勢を示しているとも受け取れる。評価額の高さは、才能と将来性を兼ね備えたオファーのみを受け入れるというクラブの意志を明確にした。ファンにとっても、4,000万ポンドでの放出は到底受け入れがたいものであり、2022/23シーズンの活躍を踏まえれば当然との見方が強い。
一方で懸念もある。マルティネッリには自信の揺らぎや判断の不安定さが見られ、試合で存在感を欠く場面も増えている。アーセナルが売却に前向きだったという事実は、クラブ内部で同選手への評価に不安があるのではないかとも噂された。
ただ、同選手への6,000万ポンド超という評価額は、アーセナルが容易に主力を手放さないクラブであることを示す強いメッセージとなったとも解釈できる。