
スコットランド1部セルティックの新戦力である日本代表FW山田新とDF稲村隼翔は、UEFAヨーロッパリーグ(EL)の登録メンバー外となった。その背景には、セルティックの補強戦略を巡り、ブレンダン・ロジャーズ監督と筆頭株主による意見対立があった模様。指揮官は稲村にくわえて、山田の獲得も望んでいなかった可能性があるという。
川崎フロンターレから3億円規模とみられる移籍金により、セルティックへ加入した山田は、2025/26シーズンのスコットランド1部リーグ開幕戦で出番が無かったものの、8月10日開催の第2節では25分程度プレー。リーグカップ2回戦、CLプレーオフ1stレグ、それに31日に行われたレンジャーズとのダービーマッチでも後半途中からピッチに立っているが、今もなお移籍後初ゴールはない。
一方、アルビレックス新潟から完全移籍の稲村の去就を巡っては、ロジャーズ監督が8月21日に「(稲村を今季の構想から外した決断は)とても簡単だった。彼はまだ私が期待するレベルに達していない」などとコメント。2日後のスコットランド1部リーグ第3節・リヴィングストン戦でデビューし、安定感抜群のパフォーマンスでチームの勝利に貢献したとはいえ、指揮官の考えは変わらなかった。
また、英メディア『フットボールリーグ・ワールド』では移籍ウィンドウ最終日の9月1日、イングランド2部バーミンガム・シティがレンタルでの稲村獲得を検討していると報じられたが、実現には至らず。左サイドバックでDFキーラン・ティアニーやDFリアム・スケールズとポジション争いを展開しているが、8月末にアルゼンチン1部ボカ・ジュニアーズから元ウルグアイ代表DFマルセロ・サラッキが加入したことにより、さらなる序列の低下が予想される。
セルティックはCLプレーオフで敗れ、EL本大会への参戦が決まっているが、3日に公式発表された登録メンバーには稲村と山田の名前が含まれず。現地ジャーナリストのアンドリュー・スミス氏は、ロジャーズ監督が両選手を登録しなかった背景に、補強戦略に関するセルティックの内部事情が絡んでいると考えており、こう語ったという。