山田新 写真:Getty Images

 E-1選手権の日本代表FW山田新は2025年7月、川崎フロンターレからスコットランド1部セルティックへ完全移籍。3億円規模とみられる移籍金が話題を呼んだが、ブレンダン・ロジャーズ監督は同選手の獲得を望んでいなかった模様。現地で、補強方針を巡るセルティック内部での意見対立が報じられている。

 現地ジャーナリストのアンドリュー・スミス氏は2日、補強戦略に関するセルティックの内部事情を告白。アルビレックス新潟から加入したDF稲村隼翔に、構想外や期限付き移籍の可能性が報じられるなど、すでに奇妙なことが起こっているが、同氏はこう語っている。

 「(セルティックの新戦力の中には、)ロジャーズ監督が獲得したのではなく、クラブの筆頭株主であるダーモット・デズモンド氏の独断により加わった選手がいる。デズモンド氏はフットボールディレクターは(クラブ内部の)誰よりも発言権がある。(2024年夏、)彼が『ルーク・マッコーワンを獲得すべきだと思う』と言うから、クラブもマッコーワンと契約するんだ」

 「山田と稲村も同じだ。ロジャーズ監督は決して彼らの獲得を望んでいるわけではなかったが、『クラブが連れてくるなら仕方ない』という感じだ。彼らはいずれもロジャーズ監督の選手ではない。デズモンド氏とロジャーズ監督の間で意見対立が起こっていた」

 山田は2025/26シーズンのスコットランド1部リーグ開幕戦で出番が無かったものの、8月10日開催の第2節では25分程度プレー。リーグカップ2回戦、CLプレーオフ1stレグ、それに31日に行われたレンジャーズとのダービーマッチでも後半途中からピッチに立っているが、今もなお移籍後初ゴールはなし。現地では、山田をはじめFW陣の決定力不足が指摘されている。

 プロ2年目の2024シーズンにJ1リーグ戦で19ゴールを挙げてブレイクした後、2025シーズンはリーグ戦21試合の出場で2ゴールと、セルティック移籍前から結果を残せていないかった山田。この調子が続けば、同選手のパフォーマンスが150万ポンド(約3億円)とみられる移籍金に見合わないとの意見も沸き起こる可能性も考えられるが、セルティック内部での補強戦略に関する意見の齟齬があることが、山田の将来に影響を与えていると言えるだろう。