
オランダ1部エールディビジのフェイエノールトは、8月31日に行われたスパルタ・ロッテルダムとのダービーで4-0で快勝し、リーグ首位に立った。開幕から3連勝と絶好調のチームの中で、クラブに所属する日本代表FW上田綺世が主役のひとりとなった。加入当初から批判の声が絶えなかった上田は、この一戦で2ゴールを挙げ存在感を示した。
そんな中、オランダメディア『Rijnmond』は「上田を巡っては、本来ストライカーはゴールで評価されるべきなのに、彼の場合はそうではない」と指摘した。
また、同国メディア『De Volkskrant』では、昨2024/25シーズンは移籍金800万ユーロ(約13億7,537万円)に見合う結果を残せていないとされ、“失敗補強”とまで呼ばれることもあった。さらに「FWとして厄介者になれず、感情を表に出さない性格が評価を妨げている」との声もあり、得点以外の面で不当に批判を受けてきた経緯があると伝えた。
しかし、上田は今2025/26シーズンは開幕3試合で4ゴールと確かな結果で応えている。スパルタ戦での先制点は、背後から相手DFに体を寄せられながらも倒れ込みつつ反転して決めたもので、その様はまるで柔道の動作のようだったと『De Volkskrant』が指摘。
続く3点目も得意のこぼれ球からの押し込みで、嗅覚を生かした得点となった。派手なパフォーマンスはなく、静かに頭を傾けてチームメイトの祝福を受ける姿が象徴的だと同メディアは伝えている。
また、フェイエノールトのロビン・ファン・ペルシー監督も「守備でも攻撃でも重要な役割を果たし、身体の使い方も向上している。努力がようやく報われた」と評価したと同メディアは伝えている。チームメイトの日本代表DF渡辺剛の加入も精神面の支えとなり、環境は好転しつつある。フェイエノールトのサポーターも長く応援歌を歌い続け、背中を押してきた。