アーセナル MFファビオ・ビエイラ 写真:Getty Images

 今2025年夏のプレミアリーグのアーセナルは大型補強が目立った。クリスタル・パレスからMFエベレチ・エゼを獲得したのに続き、移籍市場最終日にはドイツのバイエル・レバークーゼンからDFピエロ・インカピエを確保。

 これによりDFヤクブ・キビオルがポルトガル1部のポルトへ移籍する形となり、クラブの総支出は3億ポンド(約595億7,830万円)を突破した。財政面での調整が避けられず、複数の選手の退団も決まった。

 そんな中、UKメディア『Football FanCast』は、アーセナルのミケル・アルテタ監督体制における失敗補強のひとつが完全に終止符を打ったと伝えている。

 その失敗例として挙げられたのが、2022年に加入したMFファビオ・ビエイラである。同選手の移籍金は3,420万ポンド(約68億円)とされ、加入時には、プレースタイルの似ているキャプテンMFマルティン・ウーデゴールと競わせる狙いが込められていたようだ。

 しかし、ビエイラは期待されたような成長を遂げられなかった。アーセナルでの出場は50試合、4ゴール10アシストにとどまった。数字自体は悪くなかったが、プレミアリーグのフィジカルに適応できず、線の細さが常に指摘されていた。

 昨2024/25シーズンには古巣のポルトへレンタル移籍したが、25歳となった同選手の成績は5ゴール6アシスト。十分な出場機会を得ながらも結果を残せず、アルテタ監督の信頼を取り戻すことはできなかった。その結果、同選手は新天地を探すように告げられ、移籍市場最終日にMFサンビ・ロコンガと同じく、ブンデスリーガのハンブルガーSVへローンで加入することが決定した。

 高額で獲得された同選手は、ウーデゴールのような役割を担うと期待されながらも、アーセナルを去る際にはすでに忘れられた存在となっていた。