「私、優しいから」と自負している人もいます。しかし、その優しさが相手にとって本当に心地良いものかどうかは別問題。人間関係の中でよく見られるのが、“自分では優しいつもりでも、実際にはそうではない”というズレです。

そこでSirabee取材班は、優しさを勘違いしている人の親切行為について聞いてみました。

■無理に悩みを引き出そうとする

「悩んでいるとき、落ち込んでいるとき、そっとしておいてほしい人もいる。『話してよ』『しゃべったらスッキリするから!』って相手が話すまでずーっと隣りで無理に話を引き出そうとするのは全然優しさじゃない。優しい人でありたいから、相手の悩みに寄り添いたいだけ。

ホントに優しい人は相手の気持ちを察して、そっとしておいてほしそうならそっとしておく」(30代・女性)

■「してあげた」は単なる偽善者

「『あのとき○○してあげたじゃん!』は恩着せがましい。本当に優しい人は、そんな恩着せがましいことはしないし、言わない。それを言うってことは、いい人でも優しい人でもない。

最初から損得勘定で考えて、見返えりを期待している図々しい人」(20代・女性)

■本音を言わず自己完結

「『私さえ我慢すれば…』と本音を言わない人、対話を恐れて自分の中でモヤモヤ考える人、恋人をフルのを怖がって音信不通にする人…そういう人ってコミュニケーションをとらずに自己完結してしまうことが多い。

言わない優しさもあるけど、自己完結するのは別に優しさじゃない。自分が傷つかないように自分を守っているだけ」(30代・女性)

優しさとは、ただ穏やかに振る舞うことでも、誰かに好かれようとすることでもありません。むしろ、自分の軸を持ちつつ、相手の気持ちに心を寄せ、必要なときには誠実に向き合う姿勢の中に宿ります。

表面的ないい人であることを目指すよりも、深い理解と責任感のある行動を取れる人こそが、本当の意味で優しい人なのではないでしょうか。勘違いした優しさを手放すことで、私たちはもっと成熟した人間関係を築くことができるはずです。

・合わせて読みたい→それは親切じゃなくてただのお節介 その違いは「お節介な人ほど相手の…」

(文/Sirabee 編集部・   美佳