中村敬斗 写真:Getty Images

 9月の日本代表メンバーから落選したFW中村敬斗は、ラ・リーガ所属ビジャレアルへの移籍が破談。トルコ1部ベシクタシュへの移籍交渉も難航しており、フランス2部スタッド・ランスに残留する可能性もあるが、ビジャレアルからのオファーを拒否したランスの対応に、一部から批判が沸き起こっている。

 『レキップ』をはじめフランスの複数メディアが1日に伝えたところによると、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場クラブのビジャレアルは中村の獲得に向けて、ランスへ1800万ユーロ(約30億円)のオファーを提示。しかし、ランスはこれを拒否したことにより、移籍ウィンドウ最終日での交渉は破談に終わったという。

 このビジャレアル移籍破談報道を受けて、日本サッカーの情報を専門に扱う海外メディア『Jリーグインサイダー』はランスの対応を批判。Xでこう綴っている。

 「ランスは中村の素晴らしいパフォーマンスにもかかわらず、2部へ降格した。そして今、中村がFIFAワールドカップ北中米大会へ出場するために1部でのプレーを続けたいと思っているのに、彼の契約を人質にしている。恥ずべき行為だ」

 「(移籍ウィンドウで)何も起こらないのは明らかだが、もし私が日本サッカー協会(JFA)やJリーグの責任者だったら、今すぐフランスに行ってこの問題を解決しようとするだろう。JFAは契約解除金を支払い、彼をJリーグのどのクラブでもいいから6か月間所属させるべきだ。そして1月に、再び欧州クラブへ売却するというようなやり方もある」

 中村は自身の去就を巡る意見でランス幹部と対立。フランス2部リーグ開幕から全試合でベンチ外であり、クラブ施設への出入り禁止も報じられているだけに、ランスで飼い殺しに遭う可能性も考えられる。

 一方で、MLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)所属クラブの関係者は8月12日、中村の去就について分析した際、「2部降格で移籍容認されるケース」として「降格時の解除条項が付いている」「クラブ側の給与負担が大きく放出」の2点を挙げると、「解除条項を満たし、移籍阻害されてる場合はクラブの契約違反なので欠席せずとも移籍可能。どちらも該当せず移籍希望で選手が欠席してる場合は選手のわがまま」と、選手サイドに非がある可能性を指摘している。