マテウス・カストロ 写真:Getty Images

 J1の名古屋グランパスが苦しい状況を抜け出せずにいる。8月31日に行われたJ1第28節、ホーム豊田スタジアムでのFC東京戦は1-1の引き分けに終わり、連敗こそ4で止まったものの、6試合連続で白星を挙げられなかった。順位も16位(20位中)で、残留争いの緊張感が再び高まっている。

 試合は後半20分に名古屋のDF佐藤瑶大の得点で先制し、スタンドを埋めつくしたサポーターは勝ち点3を確信しかけた。しかし、試合終盤、名古屋のGKピサノ・アレックス幸冬堀尾が、クロスボールを処理し損ねる痛恨のファンブルを犯し、東京に同点ゴールを許した。クリーンシートを目指し、チームが守備に集中していた中でのミスは痛く、2か月ぶりに勝ち点3を積み上げることは出来なかった。

 この結果を受け、名古屋ファンの間ではGKのミスを指摘する声も一部あったのも事実だが、それ以上に攻撃の要であるFWマテウス・カストロの復帰を待ち望む声がネット上には噴出する事態となった。

 マテウスが戻れば勝ち点を積み上げられる、FWキャスパー・ユンカーと並べば負けなしのジンクスがあるといった期待が寄せられており、岡山戦へのマテウス復帰を願う声が多数見られた。

 また、マテウスが復帰するまではMF稲垣祥を中心に戦うしかないという現実的な意見や総力戦の姿勢は崩れていないが、得点力不足が続く中、サポーターの多くが残留への鍵をマテウスの復帰に託しているのは明白なようだ。

 この試合で豊田スタジアムは、東京戦を含めた3試合が連続でチケット完売となり、クラブ史上初の記録を打ち立てた。夏の恒例イベント『鯱の大祭典』や夏休み最終日とも重なり、スタンドを埋めた大観衆の声援はチームを後押ししたが、白星で応えることはできなかった。