
今2025年夏の移籍市場閉幕を前に、複数クラブの動向が注目を集めている。なかでもラ・リーガのバルセロナは自クラブの若手MFフェルミン・ロペスをめぐる去就問題に揺れており、依然として本人が移籍を望んでいるかどうかは明らかになっていない。プレミアリーグのチェルシーは同選手と定期的に連絡を取っており、関心を強めている状況のようだ。
そんな中、UKメディア『Football Espana』の報道によると、チェルシーは現地8月30日に、ロペスに対する最初の書面での正式オファーを提出したと報じられている。その金額は約4000万ユーロ(約69億円)と伝えられたが、バルセロナは即座にこれを拒否したようだ。ラ・リーガ王者である同クラブは、この22歳の評価額を9000万ユーロ(約154億円)近くに設定しており、仮に売却したとしても新戦力を獲得する時間的余裕がないという事情を抱えている。
一方でスペインメディア『ムンド・デポルティーボ』によると、フェルミンの代理人は7000万ユーロ(約120億円)の提示であればバルセロナが受け入れる可能性があるとチェルシー側に伝えている。
ただし、バルセロナは交渉の場で、チェルシーがエクアドル代表MFモイセス・カイセドを獲得した際に支払った1億1600万ユーロ(約200億円)の移籍金を参照点として持ち出しており、この基準が話し合いを難航させているようだ。
背景にはプレミアリーグ市場の特性がある。プレミアリーグのクラブが移籍市場で最大の支出を行うのは周知の事実であり、今夏も例外ではない。バルセロナは自クラブの選手に対する関心がプレミア勢から寄せられる場合、必然的に割高な条件が付随すべきだと考えており、今回のロペスをめぐる交渉もその典型例と見なしている。
バルセロナとしては本来、フェルミンを売却する意図は持っていない。ハンジ・フリック監督も攻撃的MFとしての成長を期待し、残留に自信を示している。ただし、選手本人が移籍を直訴した場合には扉を開く構えのようだが、現時点ではそうした意思表示は行われていないとのことだ。