当時の人類が着ていた衣服の現物は確認されていませんが、おそらく、最初のうちは石器を使って剥いだ動物の毛皮をまとっていたと推測されています。
そうして人類が動物の毛皮を着続ける中で、ヒトに寄生するシラミから新たにコロモジラミが進化したという流れがあるようです。
こうしたシラミの進化史にもとづく研究は、衣類の起源について有力な手がかりを提供してくれますが、しかしこれはあくまでも間接的な証拠に過ぎません。
考古学的な発掘調査や、シラミのように、衣服を作るための道具を間接的に調べる研究も含めて、人類の衣服の歴史を解明する試みは今後も続けられるでしょう。
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参考文献
When did humans start wearing clothes?
https://www.livescience.com/archaeology/when-did-humans-start-wearing-clothes
Humans first wore clothing 170,000 years ago
https://www.nbcnews.com/id/wbna40965564
UF study of lice DNA shows humans first wore clothes 170,000 years ago
https://news.ufl.edu/archive/2011/01/uf-study-of-lice-dna-shows-humans-first-wore-clothes-170000-years-ago.html
元論文
Origin of Clothing Lice Indicates Early Clothing Use by Anatomically Modern Humans in Africa
https://doi.org/10.1093/molbev/msq234
(2010)
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。