藤田譲瑠チマ 写真:Getty Images

 ザンクトパウリ所属の日本代表MF藤田譲瑠チマは、8月29日に行われたブンデスリーガ第2節ハンブルガーSV戦で、移籍後初アシストをマーク。現地メディアからの評価を上げているが、その一方でチームメイトのU20日本代表MFニック・シュミットがトップチーム昇格へ迫っている模様。ハンブルガーSV戦でベンチ入りした有望株には、一時Jリーグ移籍の可能性が報じられていた。

 現在17歳のシュミットは、日本人の母とドイツ人の父を持つハーフ。ドイツ出身であり、日本でのプレー経験はなく、ザンクトパウリ下部組織で台頭。2024年夏にU19チームへの昇格を果たしたが、2024/25シーズンはU19リーグ戦で18試合にスタメン出場も、4部リーグ戦ではシーズン終盤までほぼ全試合ベンチ外と出番に恵まれていなかった。

 それでもドイツ紙『ハンブルガー・アーベントブラット』が7月に伝えたところによると、シュミットは3月中旬に行われたヘルタ・ベルリンとの練習試合で好パフォーマンスを発揮。トップチームの指揮官から高評価を受けただけに、当時検討していたJリーグクラブへの移籍を見送ったという。

 その後、シュミットは2025年夏のプレシーズントレーニング全日程でトップチームに帯同。8月24日のブンデスリーガ開幕戦ではベンチ外だったが、ザンクトパウリ戦では背番号「44」でベンチに。出場機会こそ無かったものの、勝利した後には藤田とともに喜びを分かち合っている。

 17歳ながらも、2025年2月のU20アジアカップのU20日本代表に飛び級で招集されるなど、DF小杉啓太(ユールゴーデンスIF)とともに将来A代表入りの可能性がある逸材として注目されているシュミット。今後の起用法次第では、ザンクトパウリのトップチームでコンスタントにプレーする可能性も考えられる。