マルセロ・ヒアン 写真:Getty Images

 サガン鳥栖からFC東京へ期限付き移籍中のブラジル人FWマルセロ・ヒアンには、同国1部サンパウロへの期限付き移籍が取りざたされていたが、実現には至らない模様。FC東京がレンタル契約の解除を拒否したという。

 サンパウロはFWアンドレ・シルバが右膝の後十字靭帯部分損傷と前十字靭帯損傷という大怪我を負ったことにより、ストライカ-の獲得が急務に。NECナイメヘン所属の日本代表FW小川航基に対する関心が報じられていたが、ブラジルの移籍市場に精通しているジャーナリストのマルセロ・バゼッジオ氏は、8月28日にヒアン獲得の可能性を報じていた。

 また、同じくブラジル人ジャーナリストのアンドレ・エルナン氏は「サンパウロとヒアンが合意」とリポート。2025シーズン終了後までの短期レンタルで個人合意に達したというが、その一方で「彼は現在、鳥栖から期限付き移籍中だ。サンパウロは鳥栖に対して無償での放出を要求。レンタル料を支払うつもりはない」と報道。クラブ間合意は不透明とみられていた。

 すると、米メディア『ESPN』は29日に「サンパウロは 、ヒアンの獲得を断念」と報道。「FC東京がレンタル契約の解除を拒否」とした上で、「ブラジルの移籍ウィンドウが9月2日に終了するのを前に、サンパウロはストライカーを探し続けており、他の選手の獲得を検討している」と、ターゲットを切り替えた可能性もあわせて伝えている。

 サンパウロによる「無償レンタル」での獲得オファーにJリーグクラブが応じられないのは想定の範囲内だが、鳥栖はヒアンの獲得を求めるクラブに対して、高額の移籍金を求めている模様。Jリーグの移籍市場に精通しているジャーナリストのダニーロ氏は7月9日、UAE1部所属2クラブからのオファーを報道。アル・ワフダが移籍金210万ユーロ(約3億5,500万円)、アル・ナスルSCが310万ユーロ(約5億2,400万円)を用意したが、鳥栖は要求額である500万ユーロ(約8億5,000万円)に達していないとして、これらのオファーを却下したとみられる。