野澤大志ブランドン 写真:Getty Images

 FC東京からロイヤル・アントワープへ完全移籍した日本代表GK野澤大志ブランドンは、新天地で出場機会を得られない見込み。海外挑戦が失敗に終わる可能性も考えられる。

 6月末にアントワープへの完全移籍が正式決定した野澤だが、新天地でのプレシーズントレーニングには途中から合流。ベルギー1部リーグ開幕戦でベンチ外となると、第2節以降も出場機会を得られていない状況。正守護神のセンヌ・ラマーズが退団間近であり、8月24日の第5節メヘレン戦では35歳のヤンニク・トゥーレンがフル出場していた。

 ベルギー『Voetbal』は29日、アントワープのGK事情を特集。「今後トゥーレンが正守護神として長くプレーする可能性がある」とした上で、野澤については「まだ適応に時間が必要だ」と指摘している。

 また、ステフ・ウィルス監督はGKの起用法に言及。「トゥーレンがメヘレン戦ですぐにあれほど力強いパフォーマンスを見せたことは、私にとって極めて重要だ」などとベテランGKに対する信頼感を強調。日本人GKについては「トゥーレンが毎週このレベルを維持できれば、野澤はプレーしなくなるだろう」と控えに甘んじる可能性に触れたという。

 アメリカ人の父と日本人の母を持つ野澤は、2017年からコンスタントに年代別の日本代表でプレー。2020年にFC東京でトップチーム昇格を果たすと、いわてグルージャ盛岡への期限付き移籍を経て、2023年からFC東京でレギュラーに定着。2024年1月1日の国際親善試合タイ戦でA代表に初めて招集され、その後のAFCアジアカップにも帯同。パリ五輪予選では出場機会があったものの、五輪本大会のピッチには一度も立たなかった。新天地で出場機会をほとんど得られないまま、海外挑戦1年目を終える可能性が早くも浮上している。