これにより、読書習慣の全体像が20年間にわたって詳細に明らかになったのです。

読書が「選ばれた人の行為」になりつつある

研究の結果、毎日読書をする人は、2004年で全体の28%でした。

つまり、3割近くの人が趣味で毎日読書をしていたのです。

しかし20年後の2023年には全体の16%にまで減少していたことが明らかになりました。

これは大きな変化です。

2004年に「毎日趣味で読書をしていた人」たちでも、20年間でそのうちの40%はその習慣が無くなってしまったのです。

一方で、読書をした人が1日に読む平均時間はやや増加しており、読む人はより長く読むようになっている傾向も見られました。

この結果は、読書行動がより限られた層に集中してきていることを示しています。

子どもとの読書については、20年間ほとんど変化がなく、常に約2%程度の人しか実施していませんでした。

とくに9歳以下の子どもが家庭にいるケースでも、読書の習慣は意外なほど少なかったのです。

また、読書習慣の減少は、特定の社会集団でより顕著でした。

黒人の人々や、低所得および低学歴の層、非都市部に住む人々において、読書の頻度が大きく下がっていたのです。

このことから、読書の機会に関する格差が拡大していることが分かりました。

研究者たちは、単にスマートフォンやSNSといったデジタルメディアの普及だけではなく、構造的な問題(たとえば所得格差、時間的余裕の欠如、図書館へのアクセス困難など)が、読書機会の喪失につながっていると指摘しています。

また「2つの仕事を掛け持ちしていたり、田舎で移動手段が限られていたりすると、図書館に行くことさえ難しい」とも述べています。

読書が「余裕のある人」だけの特権になりつつあるという現実は、教育格差や文化的孤立をさらに深刻化させる恐れがあります。

さらに調査では、読書をしていた人の67%は一人で読書し、94%は自宅で読んでいたことも判明しました。