状況はウクライナ東部に酷似していることが分かる。プーチン大統領はモルドバの少数民族ロシア系住民の権利を守るという名目でロシア軍をいつ派遣しても不思議ではない。ちなみに、プーチン大統領の次の軍事ターゲットはジョージア、バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)、そしてモルドバだと予想されている。

同国では9月28日、議会選挙(一院制、定数101議席)が実施される。2021年の議会選挙では、サンドゥ大統領率いる親EU派の与党「行動と連帯」(PAS)が101議席中63議席を獲得したが、厳しい経済状況により与党は過半数を失う危機に瀕している。

世論調査ではPASがリードしているが、野党で親ロシア派勢力の「共産主義者と社会主義者の議員連合」(BCS)は政権交代を目指し、ロシアから選挙支援を受け、様々な偽情報やプロパガンダを流すダーティな選挙戦を展開させている。

なお、モルドバの中央選挙管理委員会は7月19日、親ロシアの野党連合「勝利」の選挙参加を禁止した。資金調達や支出報告に重大な法律違反があったためだ。国外に逃亡している親露オリガルヒのイラン・ショール氏がモスクワにて、政治ブロック「勝利」がモルドバ議会選挙に参加すると発表していた。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年8月日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。