【ニューデリー時事】29日の日印首脳会談では、両国のIT分野を含む人材交流拡大を申し合わせる見通しだ。日本企業を担当する社員の教育に力を入れているインドIT最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)の担当者は「大歓迎」と話し、まずは両国大学間での交換留学制度充実といった若者が日本に行く機会の増加を期待した。
取材に応じたのは、TCSが西部プネに整備した日本企業向け開発拠点で社員育成プログラムの企画と運営を担うサガール・ボルガオンカール氏。同拠点内では日本語教育や日本の文化・商習慣の習得を目的とした社員向け研修施設「光アカデミー」を2015年から運営している。
年間約50~70人が教育プログラムを受講。研修修了者は製造業や製薬など幅広い業種の日本企業へのサービス提供を担う。修了後、約4割が日本で働くという。
「(ITの)スキルも持つ人材に日本語能力が加われば理想的」とボルガオンカール氏。事業の中でインド人材に対する日本企業の期待を感じているといい、日本側の人材不足を受け派遣する社員数の拡大も見据えている。
インドの大卒者が海外での就職を希望する上位の国は英語の通じる欧米などで、日本はそれに次ぐ位置。日本語の習得が大きな壁となっているが、同氏は「インド人は(ビジネスの)いい機会と分かると年間数十万人でも日本語を勉強するようになる」と指摘。そのためにも若いうちに日本に赴く経験が必要と話した。(了) (記事提供元=時事通信社) (2025/08/26-16:00)