私たちは新しい友人をつくるとき、何をきっかけに「気が合う」と感じるのでしょうか。

趣味や価値観、出身地や年齢が近いと仲良くなりやすいことはよく知られています。

しかし米カリフォルニア大学(UC)の最新研究によると、その「相性の良さ」は、初めて会う前から脳の活動にすでに刻まれている可能性があることがわかりました。

新たな実験では、同じ映画の映像を見たときに似た脳反応を示した学生たちは、その後の数か月で本当に友達同士になりやすいことが確認されたのです。

研究の詳細は2025年8月4日付で科学雑誌『Nature Human Behaviour』に掲載されています。

目次

  • 映画を見せて脳をスキャン、出会う前から「相性」を測定
  • 脳の似た反応が友情を予測する

映画を見せて脳をスキャン、出会う前から「相性」を測定

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Credit: canva

研究チームは今回、41人の大学の新入生を対象に、まだ互いに知り合う前の段階で脳のfMRI(機能的磁気共鳴画像)スキャンを行いました。

被験者は映画の短編映像をいくつも見せられます。

内容は科学や食べ物、スポーツ、環境問題や社会的な出来事など幅広く、見たことがないであろう映像が選ばれました。

研究者は「退屈させない」「人によって解釈が分かれる」といった条件を重視し、自然に感情や注意の配分に違いが出るように工夫しました。

その後、学生たちは通常の学校生活を送り、2か月後と8か月後に「誰とよく一緒に過ごしたか」を調査されました。

食事や遊びに一緒に出かける相手を答えてもらい、学年全体の人間関係ネットワークを可視化したのです。

この方法により、研究者は「出会う前の脳反応の類似度」と「数か月後に誰が友達になったか」とを直接比較することができました。

脳の似た反応が友情を予測する

結果は驚くべきものでした。

入学から8か月後に親しくなっていた学生たちは、すでに最初のfMRI実験の時点で「左眼窩前頭皮質」と呼ばれる脳領域の活動がよく似ていたのです。