
ラ・リーガのレアル・マドリードのシャビ・アロンソ監督は選手の個性を尊重し、良好な関係を築く手腕に長けた指揮官だ。その姿勢により、ブンデスリーガのバイエル・レバークーゼン時代(2022-2025)にはクラブの主力選手は監督に信頼を寄せ、共に戦ってきた。だが今2025年夏、同監督がクラブを去ったことで、多くの選手が新たな挑戦を模索している。
その中の1人がエクアドル代表DFピエロ・インカピエである。スペインのメディア『The Real Champs』によると、同選手はセンターバックと左サイドバックをこなす万能型で、今夏レバークーゼンからの退団が容認されている。アーセナルが獲得の最有力候補と噂されており、アロンソ監督がマドリードで教え子と再会するという夢は阻まれる形となりそうだ。
移籍専門ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によれば、インカピエはアーセナルに加入の意思を示し、すでに個人条件で合意に達しているという。今後はアーセナルとレバークーゼンのクラブ間交渉が焦点となる。一方でマドリードも関心を示しており、具体的なオファーは提示していないものの、状況を注視しているとされる。
アロンソ監督にとってインカピエは良き関係を築いた教え子であり、そのためマドリードが移籍先として名前があがるのも自然な流れだ。マドリードは将来的に守備を支える新戦力を必要としており、クラブ守備陣の高齢化への対応を模索している。そうした背景からもインカピエは理想的な補強となり得る存在だ。
もっとも、現段階でアーセナルが同選手獲得の主導権を握っているのは事実だ。マドリードにとってターゲットを他クラブに譲る構図は見映えは良くないが、常に長期的な戦略を描いているクラブである以上、将来的にインカピエを手に入れる可能性は十分残されている。